出版社内容情報
ミャンマーの国軍が民主化運動を鎮圧して権力を奪取したのは1988年9月のことで、すでに10年余の歳月が流れた。
本書は、この軍政の下で進められた計画経済から市場経済への移行過程を分析し、理解するとともに、1988年以降の改革の実態、およびその成果、問題点を明らかにする。すなわちこの10年の軍政による市場経済化に向けての歩みを総括し、現代ミャンマー経済を実証分析する。市場経済への歩みは遅々たるものではあるが、経済は確実に変わり始めている。この過程で民主化が進むことを著者は願っている。
内容説明
本書は現代ミャンマー経済に関する実証分析であり、ビルマ式社会主義から市場経済への移行過程を分析したものである。本書の第1部で、ビルマ式社会主義を回顧しているが、ビルマ式社会主義はどのような社会主義であり、また、なぜ行き詰まったのかを明らかにしている。第2部では、1988年以降この10年の間に、どのような改革が実施され、経済がどう変容したのか、そしてどのような問題が生じているのかなどを取り上げている。結論を一言だけ述べれば、市場経済への歩みは遅々たるものであるが、経済は確実に変わり始めてきたということである。
目次
第1部 ビルマ式社会主義の回顧(ビルマ式社会主義の建設;ビルマ式社会主義の展開;ビルマ式社会主義の崩壊)
第2部 軍政の経済改革と開放政策(軍政下のミャンマー;市場経済への道;国有企業の改革;開放政策への転換;国家財政とインフレ)