出版社内容情報
高齢化と少子化の進展による年齢別人口構成の変化は、日本を世界に例を見ない高齢化社会へと導いている。このような社会において、公共投資、社会福祉、医療、介護保険など、財の移転を通じて世代間の所得を移転させる政策の重要性はますます高まってきている。本書は、このような世代間所得移転政策がさまざまな家族の「行動」に与える影響を分析し、財政政策にとり重要なファクターであるこの政策の有益な情報を提供する。
内容説明
本書では、消費、貯蓄、出産数、子から親へのアテンション(介護など)といった家族の行動が世代間所得移転政策によってどのような影響を受けるかを検討している。家族が政府による世代間所得移転を遺産と代替的なものとしてとらえるか否かは、遺産がいかなる動機に基づいているのか、親と子の間にコンフリクトが存在するか、といった家族内部の要因に加えて、市場や不確実性などに関するさまざまな外的要因にも依存している。そうした要因に焦点を当て、世代間所得移転政策の効果との関連性を探った。
目次
第1章 はじめに:公的な世代間所得移転と私的な世代間所得移転
第2章 家族間の所得格差と世代間所得移転政策
第3章 内生的出産選択と世代間所得移転政策
第4章 アテンション、不完備情報と世代間所得移転政策
第5章 サマリタンズ・ジレンマと世代間所得移転政策
第6章 流動性制約、生前贈与と世代間所得移転政策
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