出版社内容情報
再審無罪のたびに問われる、日本の再審制度。「開かずの扉」を見直すため、誤判やえん罪を生み出す原因の究明こそ求められている!
死刑判決確定から44年後、再審無罪となった袴田事件。誤判もえん罪も昔の話ではない。警察や検察は捜査や訴追の過程でなぜ誤りを正せなかったのか、裁判所はなぜ「疑わしきは罰せず」の鉄則を忘れたのか。検証する第三者機関の必要性を訴え、袴田再審弁護団長の故・西嶋弁護士が座長として関わった日弁連の提言を読み直す増補版。
【目次】
旧版 はしがき[西嶋勝彦]
特別インタビュー 周防正行監督に聞く
「僕があまりにもショックを受けた日本の刑事裁判の現状を皆さんに知ってもらいたい」
第1章 “えん罪原因究明第三者機関”を考える――その必要性と要件をめぐって[指宿 信]
第2章 えん罪原因の解明から刑事司法の根本的改革へ[小池振一郎]
第3章 日本版「えん罪原因究明第三者機関」はどうあるべきか[泉澤 章]
第4章 えん罪原因究明第三者機関設置をめぐる憲法問題[木下和朗]
第5章 米イノセンス・プロジェクトの発展から見た日本の課題[伊藤和子]
第6章 えん罪委員会の役割――誤判の発見、組織的改革またはその両方?[ケント・ローチ/髙倉新喜 訳・菊地裕子 協力]
第7章 科学的証拠の強化が刑事司法の発展を促す[ピーター・ニューフェルド、サラ・チュー/徳永 光 訳・菊地裕子 協力]
第8章 誤判原因究明制度の確立を袴田事件を教訓として[指宿 信]
[資料]
1 えん罪原因調査究明委員会の設置を求める意見書
2 えん罪事件一覧表[解説・西嶋勝彦、補訂・泉澤 章]
増補版 あとがき[小池振一郎]
執筆者・訳者紹介