法の支配―オーストリア学派の自由論と国家論

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法の支配―オーストリア学派の自由論と国家論

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  • サイズ A5判/ページ数 258p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326402373
  • NDC分類 321.1
  • Cコード C3032

出版社内容情報

「法の支配」を実体的自然法思想から解き放ち、オーストリア学派の社会哲学をもとに、その輪郭を陰画のごとくに描き出す。

社会科学の課題は、財の希少性をめぐる人間の行為の特徴を剔りだしながら法・正義・自由・国家・市民社会等の概念を研ぎ澄ませることにある。市場のルールこそ財の希少性問題と人間の行為を調整しているとするハイエクらの理論の導きのもと、基本概念の再検討から「法の支配」の脱実質的・脱目的的論拠づけを試みる、超憲法哲学書。

関連書:森村進編著 『リバタリアニズム読本』(勁草書房刊)


序章 自由の哲学
   ──政治哲学と道徳哲学

第1章 何が問われるべきか
   ──現代国家の病理

 第1節 政治哲学上の原理を欠いていた「福祉国家」
 第2節 現代国家のパラドックス
 第3節 本書の戦略とその展開

第2章 いかに問うべきか
   ──方法論と基本的な用語

 第1節 ふたつの社会哲学:合理主義か、批判的合理主義か
 第2節 ふたつの方法論:方法論的個人主義か、方法論的集団主義か
 第3節 「国家/市民社会」概念とその捉え方
 第4節 「法」概念とその捉え方

第3章 オーストリア学派の描く人間像
   ──人間の本性と行為の捉え方

 第1節 経済学の描く合理的人間像
 第2節 オーストリア学派における人間像
 第3節 主観主義的接近法による「個人と国家」
 第4節 個人主義

第4章 自由概念とその捉え方
   ──修正主義的リベラリズムか、古典的リベラリズムか

 第1節 修正主義的リベラリズムと自由概念
 第2節 リベラリズムの哲学
 第3節 ふたつの自由論のなかの古典的リベラリズム

第5章 自由と競争の再定義
   ──闘争か、協調か

 第1節 市場の機能と人間の知識
 第2節 市場と政治体制の選択
 第3節 市場の限界

第6章 「法の支配」
   ──形式か、実質か

 第1節 何が問われるべきか
 第2節 啓蒙思想における形式的アプローチの原型:ホッブズからスミスへ
 第3節 「法の支配」の衰退?
 第4節 市場のルールの属性と「法の支配」
 第5節 一般化可能性定式としての「法の支配」理論

終章 リベラリズム─「法の支配」─市場
   ──脱実質的正義論にむけて

索引  

内容説明

オーストリア学派の社会哲学をもとに、「法の支配」を実体的自然法思想から解き放ち、その脱実質的・脱目的的論拠づけを試みる、超憲法哲学書。

目次

序章 自由の哲学―政治哲学と道徳哲学
第1章 何が問われるべきか―現代国家の病理
第2章 いかに問うべきか―方法論と基本的な用語
第3章 オーストリア学派の描く人間像―人間の本性と行為の捉え方
第4章 自由概念とその捉え方―修正主義的リベラリズムか、古典的リベラリズムか
第5章 自由と競争の再定義―闘争か、協調か
第6章 「法の支配」―形式か、実質か
終章 リベラリズム‐「法の支配」‐市場―脱実質的正義論にむけて

著者等紹介

阪本昌成[サカモトマサナリ]
1945年広島県に生まれる。1969年京都大学大学院法学研究科博士課程退学。九州大学大学院法学研究科教授、法学博士、弁護士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

5
ハイエキアン法学者の面目躍如 間違いなく名著であります。2013/10/20

Yuuki Takanokura

3
ハイエクの自由主義をスコットランド啓蒙思想から連なるルール功利主義と捉え,これを制度化したものが「法の支配」であり,立憲自由主義体制であると分析する。市場の働きを信頼し,それを擁護する自由主義を展開する。日本の法学界では異色の論調。「理性」「平等」「個人主義」という言葉に踊らされる一方,「市場原理」に抵抗を感じてきた私にはとても刺激的。2012/07/08

moqueue

0
B 著者の憲法の教科書を読む前に、同著者が奉じるハイエクが掲げた「法の支配」とは何なのかを学ぶべく。今の自分には難解だったが、それでも途中を我慢して読んでいると本の末の方の議論は一応理解できた。  引き続き同著者の日本国憲法の教科書と、ハイエクの政治経済思想の勉強に努めたいが、やはり今の段階ではオーストリア学派のデザインする国家の下で生活することにはためらいを感じる。何らの介入がなければ市場において自由を喪失し続ける人々に最低限の自由を保障しなければ、統治権力に正統性があるとはどうしても思えないのである。2018/07/02

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