出版社内容情報
我々の眼前にある法(法的諸関係・規範的な社会的諸関係の総体・総和)をいかに捉えるべきか。法の性格は、言うまでもなく、法を創り出し、また逆に法によって支えられている市民社会の構造に大きく依拠している。したがって、我々の法の性格を知るためには、現代の市民社会の存立構造の検討を行う必要がある。
この大きな課題に対し本書は、法・国家・市民社会の総体的把握を試みた思想家であるへーゲル、マルクスに立ち戻り、彼らの理論的検討の上に立って現代の法・国家・市民社会をより一層広い理論的地平から分析し、戦後日本法学の批判的検討を試みる。
同著者 『市民法学の基礎理論』 (小社刊、1995年)
第Ⅰ部 市民法論への視角──法の体系的把握のために──
第1章 序説──法理論のパラダイム転換のために
第2章 ヘーゲル法哲学における主体性の原理と国家論
第3章 マルクス歴史理論における自由な個体と社会
第4章 法哲学におけるヘーゲルとマルクス
──マイホーファーの所説を中心として──
第Ⅱ部 市民法の基礎構造──法の体系的把握の試み──
第1章 序説
第2章 市民社会と国家の基礎構造
第3章 市民法の基礎構造──法の体系的把握の試み──
第4章 戒能通孝市民法学に関する一考察
──市民法論の新たな再生のために──
第5章 市民法論と現存社会主義像
第Ⅲ部 市民法学の可能性
第1章 市民法学と法社会学
第2章 市民法学における市民像と市民社会論
第3章 市民法学と社会・歴史認識──戦後法学の批判的検討・序論──
第4章 市民社会・国家の構造と市民法の原理と体系
あとがき
人名索引
初出一覧
内容説明
市民社会・国家・法の総体的把握から、共同体と個の在るべき関係を析出。自由と民主主義を担保する現代法把握に向けた基本的視座の新たなる探求。
目次
第1部 市民法論への視角―法の体系的把握のために(序説―法理論のパラダイム転換のために;ヘーゲル法哲学における主体性の原理と国家論;マルクス歴史理論における自由な個体と社会 ほか)
第2部 市民法の基礎構造―法の体系的把握の試み(市民社会と国家の基礎構造;市民法の基礎構造―法の体系的把握の試み;戒能通孝市民法学に関する一考察―市民法論の新たな再生のために ほか)
第3部 市民法学の可能性(市民法学と法社会学;市民法学における市民像と市民社会論;市民法学と社会・歴史認識―戦後法学の批判的検討・序論 ほか)
著者等紹介
篠原敏雄[シノハラトシオ]
1948年生まれる。1971年中央大学法学部法律学科卒業。1976年東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得。1985年法学博士。現在、国士舘大学大学院・法学部教授(法哲学・法社会学・法思想史・民法基礎理論)。他に、「愛・自由・正義」をテーマに“しゃんそん”を歌う活動も行なう
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