出版社内容情報
アメリカはアジアの共産主義に敗北したのか?冷戦後の中国台頭になぜ翻弄されたのか? 米中対立が本格化するまでの大戦略を描く!
第二次大戦に勝利したアメリカにとって、本格的なアジア戦略の策定は不可欠となった。アメリカはアジアの共産主義をうまく封じ込められたのか。冷戦後の対中政策はなぜ混乱したのか。中国が覇権を目指す今こそ読まれるべき、戦略の成功と失敗の条件を学べる壮大な歴史書。日本のメディアにも登場する著者が描く大国の大戦略史。
【原著】Michael J. Green, By More Than Providence: Grand Strategy and American Power in the Asia Pacific Since 1783(Columbia University Press, 2017)
内容説明
第二次世界大戦に勝利したのも束の間、冷戦に突入した超大国、アメリカ。なぜアメリカはベトナム戦争で泥沼にはまったのか。冷戦後のアメリカの対中戦略はなぜ揺れ動き、その背後にはどのような論争があったのか。そして、中国だけでなくアジア全体とアメリカの関係を捉えた時に何が見えてくるのか。中国が覇権を目指し、アジア大変動の時代を迎える今こそ読まれるべき、壮大な歴史物語をついに完訳。アメリカの利益と理念を追い求めた戦略家たちの成功と失敗をスリリングに写し出す。日本専門家であり、アメリカ政府高官も務めた著者による、大国の大戦略史。
目次
第3部 ソ連の台頭(承前)(アジア戦略とベトナムでのエスカレーション 一九六一‐一九六八年「混乱していない者は、この状況を理解していない」;ニクソンとキッシンジャーによるアジアでの封じ込め戦略の再定義 一九六九‐一九七五年「釣り合いのとれた均衡」;ジミー・カーターと中国カードの復活 一九七七‐一九八〇年「大統領は弱き行動をいっさいとってはならない」;ロナルド・レーガン 一九八〇‐一九八九年「封じ込めて、やがて巻き返す」)
第4部 中国の台頭(ジョージ・H・W・ブッシュとアメリカ単極時代 一九八九‐一九九二年「われわれの安全と繁栄の秘訣はそれらの外交関係の持続力のなかにある」;ビル・クリントンと予期せざる大国政治の再来「関与と均衡」;戦略的奇襲とジョージ・W・ブッシュのアジア政策「自由に寄与する勢力均衡」;バラク・オバマとアジア・リバランス政策「ピボット」)
終章 歴史からアジア戦略を考える
著者等紹介
グリーン,マイケル[グリーン,マイケル] [Green,Michael J.]
ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院でPh.D.(博士号)を取得。ジョンズ・ホプキンス大学助教授、外交問題評議会上席研究員などを経て、2001年から2005年まで米国家安全保障会議(NSC)のアジア部長、さらには上級アジア部長兼大統領特別補佐官の要職を担った。その後、ジョージタウン大学准教授、戦略国際問題研究所(CSIS)上級副理事長などを歴任。日本に留学・滞在した経験があり、その間に国会議員秘書や新聞記者などを務めた。現在:シドニー大学アメリカ研究所所長、CSIS上級顧問。専門はアジア太平洋地域の国際関係・安全保障
細谷雄一[ホソヤユウイチ]
慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了、博士(法学)を取得。北海道大学専任講師などを経て、慶應義塾大学法学部教授。専門は国際政治史、国際政治学
森聡[モリサトル]
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)を取得。法政大学教授などを経て、慶應義塾大学法学部教授。専門は現代国際政治、アメリカの外交・防衛政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。