内容説明
「自分が大事にしている価値や倫理は、政治の世界には存在しない」。著者ルブランが東京都練馬区でたびたび気づかされたのは、主婦たちのそうした見方であった。主婦の女性たちは、自分は自転車に乗る「ふつうの市民」であり、タクシーに乗る政治家(それはたいてい男性である)とは違うと思っている。新たな公共空間を構想し、シティズンシップやジェンダーの問題にも多様な示唆を与える、画期的な日本政治論をついに完訳。
目次
第1章 「真理とは女性である」と仮定したら?
第2章 「ふつうの主婦」のアイデンティティ
第3章 主婦とシティズンシップ
第4章 政治に抗うボランティア活動
第5章 「主婦らしい運動」へ向かって―生活クラブ生協の「生活者」政治
第6章 小野清子の選挙運動―エリート政治のなかの「ふつう」の主婦
結論
著者等紹介
ルブラン,ロビン[ルブラン,ロビン][LeBlanc,Robin M.]
1994年、オクラホマ大学でPh.D.(政治学)を取得。同年、本書の元となった学位論文でアメリカ政治学会「女性と政治」部門最優秀論文賞を受賞。専門は政治理論、ジェンダー、日本政治。アメリカのワシントン・アンド・リー大学政治学科准教授などを経て、現在、ワシントン・アンド・リー大学ウィリアムズ・スクール政治学科教授
尾内隆之[オナイタカユキ]
立教大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は政治理論、日本政治、環境政治。立教大学法学部助教、流通経済大学法学部講師を経て、流通経済大学法学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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