出版社内容情報
同時代を生きる、右派と左派の歴史認識が対立・分断へと至る歴史的過程を「教科書問題」を中心に鮮やかに描き出す。
同じ社会・同じ時代を生きる人びとの中で、なぜここまで大きな歴史認識に関する対立が生まれてしまうのか。右派と左派の認識の違いが戦後の歴史的経緯のなかで徐々に形成され、対立・分断へと至る過程を「教科書問題」を中心に捉え、鮮やかに描き出す。
【目次】
第1章 現代日本における歴史認識の分断
第1節 問題の所在――国内の分断の焦点としての歴史認識問題
第2節 先行研究の検討――分断の同時代的背景
第3節 本書の対象――教科書問題をめぐる2つの社会運動
第4節 本書の分析枠組み――社会意識論の再構成
第5節 本書の構成
第2章 人々の主観としての「社会意識」の捉え方
第1節 戦後における社会意識論の展開
第2節 社会意識論の課題
第3節 社会意識の類似概念――文化・フレーム・アイデンティティ
第4節 社会意識はどのように生成されるか
第5節 社会意識はどのように対立していくか
第6節 小括――社会意識の「節合」と「分断」
第3章 右派の歴史認識の形成――教育運動とビジネス書の共鳴
第1節 「つくる会」と「自由主義史観」
第2節 戦後教育運動の行き詰まり
第3節 ビジネス書の時代
第4節 ビジネスマンの教養として位置づけられる「歴史」
第5節 ディベート教育と歴史教育の融合
第6節 小括――「自由主義史観」の誕生
第4章 左派の歴史認識の展開――表現の自由から教科書裁判へ
第1節 「全国ネット21」と出版労連
第2節 表現の自由と教科書運動の誕生
第3節 教科書裁判における教育運動との共闘
第4節 労働運動の停滞による担い手の減少
第5節 運動の争点変化と「国民の教育権」論の変質
第6節 小括――教科書運動の変遷
第5章 左右対立の顕在化と過熱――教科書問題と慰安婦問題の接続
第1節 分断のメカニズム――アイデンティティ整理による道徳化の進展
第2節 保守派知識人の戦争責任論と慰安婦問題への反発
第3節 教科書問題との接続と「つくる会」の結成
第4節 リベラル派の戦争責任論と「アジア女性基金」をめぐる分裂
第5節 教科書運動との接続による「全国ネット21」の誕生
第6節 教科書採択をめぐる対立の過熱とその後
第7節 小括――教科書問題と慰安婦問題の接続
第6章 歴史認識をめぐる分断の歴史と現在
第1節 議論の要約――戦後史の中での分断の進展
第2節 示唆と課題
第3節 今後の展望――安倍政権をめぐる分断へ
初出一覧
あとがき
文献一覧
索引(人名/事項)
内容説明
社会に「分断」を生む要因とそのプロセスの解明。歴史のなかで醸成され、節合される複数の社会意識。その社会意識同士が敵対するとき何が起こるのか。右派と左派、それぞれの歴史認識構築に主体的役割を果たした社会運動団体に着目し、「分断」のメカニズムを鋭く描き出す。
目次
第1章 現代日本における歴史認識の分断
第2章 人々の主観としての「社会意識」の捉え方
第3章 右派の歴史認識の形成―教育運動とビジネス書の共鳴
第4章 左派の歴史認識の展開―表現の自由から教科書裁判へ
第5章 左右対立の顕在化と過熱―教科書問題と慰安婦問題の接続
第6章 歴史認識をめぐる分断の歴史と現在
著者等紹介
安東慶太[アンドウケイタ]
1992年大分県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了。博士(学術)。立教大学社会情報教育研究センター助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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