出版社内容情報
今、日本の国、日本の政治をどうすればよいのかという議論が活発になっている。
本書は<この国のかたちはどういうかたちか>と問い、立憲君主国家だと規定するところから出発する。著者は、「政治とは現実のいろいろな拘束の中で、より小さな害悪を選択する技芸である。したがって我々は国家の重みにたえながら現実と格闘する政治家に共感をもちつつ、国家のゆくすえについて各自が青写真を示していくことが大切だ」と述べる。
この視点から、今日の日本が直面する難題(テロ対策、安全保障、憲法改正など)について、わかりやすく明晰に
【目次】
プロローグ
Ⅰ 普通の「立憲君主国家」へ
第1章 「君」と「臣」と「民」と
1 はじめに
2 「君」と「臣」と「民」と
3 「民」の消滅した風景
4 考慮されされるべき三つの条件
5 「君」の権威と「筆頭の臣」(総理大臣)の権力
6 おわりに
第2章 「君」の制度の再構築へ―皇室典範改定論議に寄せて―
1 はじめに
2 皇室典範改定論議の陥穽
3 「宮家」復活論―「君」の制度の再構築へ―
4 おわりに
5 補論―皇室の「伝統」と国民の「共感」と―
Ⅱ 平成の「臣」の肖像
第3章 小渕恵三・未完の構想
1 はじめに
2 二つの「祭」は何を残したか
3 小渕恵三の「未完の構想」を巡って
4 二つの「祭」の後の課題
5 おわりに
6 補論―小渕恵三における「平凡」と「非凡」―
第4章 鳩山由紀夫の「理想」と「現実」
1 はじめに
2 検証・鳩山由紀夫の憲法発言
3 民主党という名の「拘束衣」
4 「保守大合同」による憲法典改訂へ
5 おわりに―今、「三代の物語」完結の時―
6 補論―「小泉改革」に震撼した日々―
第5章 山崎拓は天使か悪魔か
1 はじめに―「盟友」か「獅子身中の虫」か―
2 「近隣諸国への配慮」の虚実
3 東南アジア歴訪は、何を焙り出したか
4 おわりに―政治、あるいは「より小さな害悪」を選択する技芸―
5 補論―「小泉改革」と「時代の招き」―
Ⅲ 奔流の中の国家
第6章 靖国神社の「夏」
1 はじめに
2 「名誉の枠組」の意味
3 歴史の評価と「A級戦犯」合祀の意味
4 「文明」と「野蛮」の間
5 おわりに―花の都の靖国神社―
第7章 「9・11」以後の風景
1 はじめに
2 「カウンター・テロリズム」に関わる呪縛
3 「新しい戦争」に備える「アンチ・テロリズム」の五つの視点
4 おわりに
5 補論―「テロリズム」と「民主主義の間」―
第8章 「対米自立」と「対米協調」の間
1 はじめに
2 シャルル・ドゴールの軌跡
3 「対米自立」と「対米協調」の間・日本の宿題
4 「秩序」への意志
5 おわりに―岩崎小彌太の言葉―
Ⅳ 知識層と政治家の間
第9章 知識層と政治家の「断絶」と「共感」
1 はじめに―「知識層」の政治参加の「空洞化」―
2 放置される「政治家」と「知識層」の断絶
3 今後・「何を成すべきか」
4 おわりに―「知識層」と「政治家」の共感とは
エピローグ 国家を導く「臣」の作法について
内容説明
日本は立憲君主国家である。そのことの意味をあますところなく究明して示す、21世紀の政治家の条件。
目次
1 普通の「立憲君主国家」へ(「君」と「臣」と「民」と;「君」の制度の再構築へ―皇室典範改訂論議に寄せて)
2 平成の「臣」の肖像(小渕恵三・未完の構想;鳩山由紀夫の「理想」と「現実」;山崎拓は天使か悪魔か)
3 奔流の中の国家(靖国神社の「夏」;「九・一一」以後の風景;「対米自立」と「対米協調」の間)
4 知識層と政治家の間(知識層と政治家の「断絶」と「共感」)
エピローグ 国家を導く「臣」の作法について
著者等紹介
桜田淳[サクラダジュン]
1965年宮城県に生まれる。1993年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。1993‐2000年衆議院議員政策担当秘書。1995年第1回読売論壇新人賞最優秀賞。2000年第1回正論新風賞受賞。1998‐2001年慶応義塾大学大学院公法研究科非常勤講師。現在、東洋学園大学現代経営学部専任講師
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