出版社内容情報
本書の特色は、軍内発行資料を含む一次資料による「ブラックボックス」の解明を試みたこと、軍事制度、軍事財務・軍事審計に焦点を当てて制度の変遷および改訂・変更個所を分析したことにある。現代中国では、党は軍事財政を統制し、軍は党軍関係から恩恵を受け、党が国家を領導する体制がある限り、軍が党から離反することはない。
内容説明
中国では、なぜ軍が党から離反することはないのか。資料的制約によって「ブラックボックス」とされてきた中国の国防費・軍事費に関して、これまで取り上げられてこなかった軍事制度、軍事財務・軍事審計に焦点を当て、制度の変遷および改訂・変更箇所を分析。
目次
現代中国の政治・経済と軍制
第1部 中国の党・政・軍関係の特徴(中国における党・政・軍関係―「党の軍に対する絶対領導」;中国の軍令と軍事専門職業化―軍隊の指揮命令に関する規定;中国の軍政と工作条例の変遷―政治と財務の視点から)
第2部 中国の国防費・軍事費の解明(中国の公表国防費と軍事経費―「軍事財務」体系に基づく定義と範囲の特定;中国人民解放軍の予算内経費―軍の予算管理に関する規定とその変遷;中国人民解放軍の予算外経費―軍によるビジネス・経済活動)
第3部 国防費・軍事費をめぐる党・政・軍関係(中国の軍事費予算・決算制度―予算編成・決算サイクルと決定過程;中国の軍事会計(審計)制度―人民解放軍審計署の役割を中心に)
軍事制度からみた中国の党・政・軍関係
著者等紹介
土屋貴裕[ツチヤタカヒロ]
慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。安全保障学博士。慶應義塾大学環境情報学部環境情報学科卒業。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。防衛大学校総合安全保障研究科後期課程卒業。専攻は地域研究(中国、東アジア)、国際関係論、安全保障学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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