出版社内容情報
2022年5月に可決された経済安全保障推進法により新たなステージに入った日本の経済安全保障と技術優位性確保の重要性を論じる。
米中の技術覇権を巡る問題の本質や、先端技術が経済安全保障・安全保障にもたらす意味、経済・技術安全保障を確保していく国際枠組みのあり方、経済安全保障と国際通商秩序の両立のあり方、米国や中国の経済安全保障戦略、技術流出防止の観点から行われている研究インテグリティに関する国際的な議論の動向などを取り上げる。
目次
第1章 米中の技術覇権をめぐる問題
第2章 経済制裁研究の視座について
第3章 輸出管理と自由貿易体制―グローバリゼーション下で技術優位の維持は可能か
第4章 経済安全保障と通商政策:技術優位への影響
第5章 権威主義体制下のイノベーション・エコシステムと技術優位―新興技術の研究開発・社会実装をめぐる中国の戦略と課題
第6章 経済安全保障から見た重要技術とイノベーション・エコシステム:米国の事例から
第7章 新領域の防衛と技術イノベーション―ロシアによるウクライナ侵攻から見える未来の戦争
第8章 拡大するイノベーション・エコシステムとコンセンサス形成―米国におけるAI戦略の課題
第9章 研究インテグリティと研究セキュリティに関する米国の動向
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Don2
8
面白い論文集。タイトルを少し書き下すと、急速に国力を伸ばす中国を念頭に、産官学・起業家等の研究開発活動(技術優位)や、グローバルサプライチェーン(GSC)をいかに管理し、安全保障を図るか、が中心的なお題。国や軍の中央研究所が担ってきた安全保障技術のR&Dの主体がグローバル化・民間に移ってきた(デュアルユース)歴史的背景や、中国が巨大な市場を梃子に海外から技術移管をうまく進めてきた様子、米国等が民間の自由貿易との間でバランスをとりつつ技術移管を阻止し・また技術を育成・取り込もうとしてきた様子がよくわかる。2023/10/09
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