出版社内容情報
なぜ移民は脅威と見なされるようになったのか。政教分離を原則とするフランスで、宗教性によって「脅威がつくられた」仕組みを解く。
フランスでは人種・宗教・民族に関係なく市民を平等に扱う「共和国モデル」に基づき、移民はフランス社会に統合されると考えられていた。そんな中で、ムスリム・マイノリティはなぜ安全保障上の脅威として「構築」されていったのか。「安全保障化」をキーワードに、日常にひそむ包摂と排除の政治を浮き彫りにしていく。
内容説明
フランスでは人種・宗教・民族に関係なく市民を平等に扱う「共和国モデル」に基づき、移民はフランス社会に統合されると考えられていた。そんな中で、ムスリム・マイノリティはなぜ安全保障上の脅威として「構築」されていったのか。安全保障化をキーワードに、日常にひそむ包摂と排除の政治を浮き彫りにしていく。
目次
序章 「移民」は安全保障に関わるのか
第1章 人の移動をめぐる政治
第2章 安全保障化という分析視角
第2章補論 安全保障の権力と知
第3章 移民の安全保障化
第4章 安全保障の語り手とメディア
第5章 排除と包摂の政治―安全保障化におけるライシテの動員
第6章 安全保障化への抗い―脱安全保障化の実践
終章 安全保障という政治が行き着く先
著者等紹介
和田萌[ワダモエ]
京都大学総合人間学部を卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程を修了、博士(人間・環境学)を取得。日本学術振興会特別研究員を経て、現在:東北大学大学院国際文化研究科助教、専門は国際関係論、ヨーロッパ・フランスの移民政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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