出版社内容情報
ルソーにおける「統治」とは何か。「一般意志」は全体主義と結びつく悪なのか。フーコーの統治論を援用し、新しいルソー像を示す。
ルソーの「一般意志」は「社会契約」の締結により生まれた共同体の意志であり、正義の基準、法の源、何より自由を保全する原理とされるが、共同体に君臨するもののようにも思われてきた。本書では、「一般意志」が実は「特殊意志」によって侵食される脆弱なものであり、「統治」によって防衛されなければならないことを明らかにする。
内容説明
ルソーの政治思想において「統治」とは何か。「一般意志」は全体主義と結びつく悪なのか。フーコーの統治論を援用し、新しいルソー像を示す。
目次
第1部 「統治」とは何か(フーコーにおける「統治」;「統治」の系譜)
第2部 ルソーの「統治」(『政治経済論』における「統治」;人の「統治」;「財」の「統治」)
第3部 「一般意志」と「統治」(なぜ「一般意志」は防衛されなければならないのか;いかにして「一般意志」を防衛するか;「市場」と「一般意志」)
著者等紹介
西川純子[ニシカワジュンコ]
東京大学大学院総合文化研究科教務補佐員、法政大学および國學院大学兼任講師。東京大学総合文化研究科博士課程単位習得退学。博士(学術)。専門は18世紀フランス思想・政治哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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