内容説明
民主化とともに興隆した台湾ナショナリズムと現在の台湾を考える上での必読書。分裂国家として始まった戦後台湾。国民党による文化政策の光と影を明らかにし、アジアにおける国民統合の一側面を解き明かす。
目次
序章 「日本」・「中国」・「本土」をめぐる戦後台湾の文化変容(研究の目的と問題提起;先行研究と本研究の位置づけ;研究の範囲および方法)
第1章 「日本」の処遇と「文化再構築」の葛藤(一九四五‐一九四九)(戦後初期台湾における「文化再構築」;脱植民地化の現実と文化運動の総動員化)
第2章 「反共文化政策」の推進と「中国化」の諸相(一九五〇‐一九六五)(一九五〇年代台湾の中国化―「改造」と「中央化」の影響を中心に;「日本」と台湾―「伝統」の喪失と「西洋文化」への傾倒)
第3章 蒋介石の「中華文化復興運動」と国民文化の一元化(一九六六‐一九七六)(中華文化復興運動にみる国民党文化政策の特徴と連続性;教育部文化局(一九六七‐一九七三)にみる中華文化復興運動の展開と内実)
第4章 蒋経国の「本土化」政策と文化政策の変容(一九七七‐一九八七)(蒋経国による「文化建設」―文化的「本土化」政策の起点として;「郷土熱」から「地方文化」の重視へ―国民党文化政策の質的転換)
終章 文化政策と国民統合の政治学(本研究を通じて得られた新たな知見・成果;一九八七年以降の文化状況と今後の課題)
著者等紹介
菅野敦志[スガノアツシ]
1975年山形県米沢市生まれ。1998年上智大学文学部新聞学科卒業。2007年早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学専攻博士後期課程修了、博士(学術)。早稲田大学21世紀COE「現代アジア学の創生」研究員・研究助手、早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、中央研究院近代史研究所訪問研究員(台湾)、早稲田大学アジア研究機構台湾研究所次席研究員(研究院講師)、早稲田大学留学センターを経て現在、公立大学法人名桜大学国際学群専任講師、早稲田大学アジア研究機構台湾研究所招聘研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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