出版社内容情報
過少と過剰の中で不満や冷笑の対象になる民主主義。なのに、なぜ誰もが民主主義者なのか。考えうる民主主義としての熟議民主主義論。
民主主議理論の熟議的転回。リベラル・デモクラシー「勝利」以後の「分断された社会」なればこそ、「なぜ民主主義なのか」と問わねばならない。その核心とは、利益集団間の妥協や多数派支配では決してない。人びとは対話や討議のなかで自らの意見や判断を変化させていく──熟議を通じた合意の形成にこそ、「民主主義の核心」はある。
序論
第1章 なぜ民主主義なのか?
第1節 「統治能力の危機」論再考
第2節 再帰的近代化と民主主義の必要性
第3節 「分断された社会」と「脱社会化」という問題
第2章 現代民主主義理論における分岐
第1節 熟議民主主義・確実性・理性
第2節 闘技民主主義・不確実性・情念
第3節 小括
第3章 接点の模索
第1節 熟議民主主義における自己批判
第2節 闘技民主主義における合意の契機
──民主主義的シティズンシップ論を中心に
第4章 分岐以後の民主主義モデルへ
第1節 情念の導入
第2節 利益の復権
第3節 選好の変容再考 ──1.「紛争の次元についてのコンセンサス」と二重効用論
第4節 選好の変容再考 ──2. 結論レベルにおける「異なる理由に基づく同意」の可能性
第5節 強制と権威の正当化
第6節 小括──分岐以後の民主主義モデルと残された論点
第5章 熟議民主主義の多層的深化
第1節 制度的次元
第2節 非制度的次元
第6章 規範理論と経験的研究との対話可能性
第1節 事実と価値の分離を超えて?
第2節 熟議民主主義の経験的研究の展開
第3節 規範理論における経験的契機
第4節 「対話可能性」についての考察
第5節 事実と価値の間の政治学
結論
参考文献
あとがき
人名索引/事項索引
内容説明
利益集団間の妥協や多数派による支配に、ではなく、人びとが対話や討議のなかで、みずからの見解や判断を変化させていくこと=熟議に、「民主主義の核心」をみる。
目次
第1章 なぜ民主主義なのか?
第2章 現代民主主義理論における分岐
第3章 接点の模索
第4章 分岐以後の民主主義モデルへ
第5章 熟議民主主義の多層的深化
第6章 規範理論と経験的研究との対話可能性
著者等紹介
田村哲樹[タムラテツキ]
1970年高知県に生まれる(広島県で育つ)。1999年名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。現在、名古屋大学大学院法学研究科准教授、博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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