出版社内容情報
近年ヨーロッパ各国でますます利用される傾向にある国民投票・住民投票に注目し、その観点からEUの発展の歴史を見直す。
本書は、ヨーロッパ各国において実施されたEU(欧州連合)加盟をめぐる国民投票・住民投票の実施状況を特にデンマークを中心に整埋しその傾向をまとめ、その分析から、EUにおいて国民投票・住民投票がいかなる役割を担い、EUという組織自体における民主主義にいかなる意味をもつかを検討する。
序章 欧州統合研究と国民投票
一 問題の所在
二 分析視角
三 史料と構成
第Ⅰ部 EUと国民投票・国会
第1章 EUをめぐる国民投票概観
一 はじめに
二 欧州におけるEU国民投票の概観
三 EUの政策決定過程と国民投票
四 おわりに
第2章 デンマークの国民投票・住民投票制度とEU問題
一 はじめに
二 デンマークにおける国民投票・住民投票の概観
三 デンマーク憲法からみた国民投票制度
四 EU問題をめぐる国民投票・住民投票
五 おわりに
第3章 デンマークのEU政策と国会
一 はじめに
二 欧州議会の強化か、国会の強化か?
三 デンマーク政治とEU
四 国会欧州委員会の役割
五 おわりに
第Ⅱ部 デンマーク・EC関係の政治力学
第4章 デンマークと北欧協力・EEC──前史──
一 はじめに
二 1950年代の北欧協力とEEC
三 1960年代の北欧協力とEEC
四 おわりに
第5章 EC加盟をめぐる国民投票(1972年)
一 はじめに
二 第三回EC加盟交渉の進展
三 EC加盟をめぐる国民投票
四 おわりに
第6章 単一欧州議定書をめぐる国民投票(1986年)
一 はじめに
二 EU案とデンマーク政治
三 単一欧州議定書をめぐる国民投票
四 おわりに
第Ⅲ部 デンマーク・EU関係の政治力学
第7章 EU条約をめぐる国民投票(1992年)
一 はじめに
二 単一欧州議定書署名以後のECとデンマーク
三 国民投票キャンペーン
四 国民投票結果
五 おわりに
第8章 EU条約・エディンバラ合意をめぐる国民投票(1993年)
一 はじめに
二 1992年国民投票以後の混迷とエディンバラ合意
三 国民投票キャンペーン
四 国民投票結果
五 おわりに
第9章 アムステルダム条約をめぐる国民投票(1998年)
一 はじめに
二 四つの適用除外とデンマーク
三 アムステルダム条約締結交渉と四つの適用除外
四 アムステルダム条約をめぐる国民投票
五 おわりに
第10章 ユーロ導入をめぐる国民投票(2000年)
一 はじめに
二 EMUとデンマーク
三 ユーロ導入をめぐる国民投票
四 おわりに
終章 デンマーク人のアイデンティティと国民投票のゆくえ
一 デンマーク・EU関係におけるアイデンティティ
二 欧州統合過程における国民投票──その意義と限界──
あとがき
初出一覧
巻末資料
索引
内容説明
EUをめぐる国民投票・住民投票の実施状況を特にデンマークを中心にその傾向をまとめ、その分析から、EUにおいて国民投票・住民投票がいかなる役割を担い、EUという組織自体における民主主義にいかなる意味を持つか検討する。
目次
欧州統合研究と国民投票
第1部 EUと国民投票・国会(EUをめぐる国民投票概観;デンマークの国民投票・住民投票制度とEU問題;デンマークのEU政策と国会)
第2部 デンマーク・EC関係の政治力学(デンマークと北欧協力・EEC―前史;EC加盟をめぐる国民投票(一九七二年)
単一欧州議定書をめぐる国民投票(一九八六年))
第3部 デンマーク・EU関係の政治力学(EU条約をめぐる国民投票(一九九二年)
EU条約・エディンバラ合意をめぐる国民投票(一九九三年)
アムステルダム条約をめぐる国民投票(一九九八年)
ユーロ導入をめぐる国民投票(二〇〇〇年))
デンマーク人のアイデンティティと国民投票のゆくえ
著者等紹介
吉武信彦[ヨシタケノブヒコ]
1960年生まれ。1986~1987年デンマーク政府給費奨学生(オーフス大学政治学研究所)。1989~1991年外務省在スウェーデン日本国大使館専門調査員。1991年慶応義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学。1996~1997年ノルウェー国際問題研究所客員研究員。高崎経済大学地域政策学部教授(国際関係論、EU研究、北欧地域研究専攻)
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