幻想としての“私”―アスペルガー的人間の時代

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幻想としての“私”―アスペルガー的人間の時代

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326299232
  • NDC分類 493.76
  • Cコード C3011

出版社内容情報

生物学的精神医学が主流となり、貧困化する臨床の現場に警鐘を鳴らす。多彩なケースをもとに読み解く、切り捨てられた心の深層。統合失調症や境界例が軽症化する一方、3割近くの若者が経験しているという人格の多元化や、アスペルガー症候群などが時代の前景に押し出されている。本書はこういった潮流を「中心のない多元化」という概念で括り、一般的な学生や臨床例に見られる諸現象を挙げながら、精神に引き起こされている今日的変容を浮き彫りにしていく。

はしがき



序章 心が迷路に入っている

 1 アイデンティティの終焉

 2 八〇年代まで

 3 中心のない多元化

 4 「みえない中心」に向かって



第1章 まなざしの地獄

 1 六〇?七〇年代の青年像

 2 一人ではいられない

 3 「みられる〈私〉」への強迫

 〈この章のまとめ〉



第2章 物語をシャッフルする

 1 「小さな物語」のなかで

 2 プロテウス的移行

 3 「一つの〈私〉」の由来

 4 ゼロ点兆候

 〈この章のまとめ〉



第3章 分身遊離する〈私〉

 1 中心をめぐる攻防

 2 健忘のない多元化

 3 多元化のひろがり──一般学生への調査から

 4 ICは境界を越えてゆく

 5 他有化スペクトラム──〈私〉のなかの他者

 6 解離とは何であったか

 〈この章のまとめ〉



第4章 モード転回がとまらない

 1 豹変リスク

 2 クライテリアが定まらない

 〈この章のまとめ〉



第5章 失われた中心──引きこもりの源流

 1 基礎的状況──対他的同一性/対自的同一性のデカップリング

 2 プロトタイプとしての物語放棄

 3 さまざまな亜型

 〈この章のまとめ〉



第6章 「狂気」という幻想

 1 「現実」の二つの契機──離人症の背後にあるもの

 2 モダンの奇形性

 3 「外部」への転落──統合失調症の精神病理

 4 「くらやみ」への跳躍─脱自的融合

 〈この章のまとめ〉



第7章 アスペルガー的反転

 1 ヒエラルキー喪失──流れゆく現実

 2 時間軸の弛緩──「過去」がリアルに浮かんでくる

 3 脱自的融合──アニミズム的一体化

〈この章のまとめ〉



終章 反転/超越する



あとがき

索引

大饗 広之[オオアエ ヒロユキ]
大饗 広之(おおあえ ひろゆき)
香川県高松市出身。1981年, 広島大学医学部卒業。静岡県立病院養心荘(こころの医療センター), 大垣市民病院精神神経科, 名古屋大学医学部精神科講師を経て, 現職:日本福祉大学子ども発達学部心理臨床学科教授 医学博士。専門:精神医学, 精神病理学。著書:『なぜ自殺は減らないのか』(勁草書房, 2013),『「豹変する心」の現象学』(勁草書房, 2009), 『分裂病の精神病理と治療』(2巻・4巻 分担執筆, 星和書店, 1989・1992), 『解離の病理 自己・世界・時代』(分担執筆, 岩崎学術出版社, 2012)ほか。

内容説明

貧困化する心の臨床に警鐘を鳴らす!一般的な学生や臨床例に見られる諸現象をもとに、「中心のない多元化」の時代を読み解く。生物学的精神医学では捉えきれない心の深層を浮き彫りに。

目次

序章 心が迷路に入っている
第1章 まなざしの地獄
第2章 物語をシャッフルする
第3章 分身遊離する“私”
第4章 モード転回がとまらない
第5章 失われた中心―引きこもりの源流
第6章 「狂気」という幻想
第7章 アスペルガー的反転
終章 反転/超越する

著者等紹介

大饗広之[オオアエヒロユキ]
香川県高松市出身。1981年、広島大学医学部卒業。静岡県立病院養心荘(こころの医療センター)、大垣市民病院精神神経科、名古屋大学医学部精神科講師を経て現職:日本福祉大学子ども発達学部心理臨床学科教授。医学博士。専門:精神医学、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

日曜読書人

6
複数の人格モードを切り替えながら、多様な人間関係の中を推移していく。そういう青年が増えているんですね。2018/05/21

arisa

1
社会を統率する絶対的価値が霧散したとき、一人一人の人間も中心を失い、個人の人格が多元化してゆく。人格のオプションを使い分けながら実体のない「私」を運営することがノーマル化している現代を象徴するのが「アスペルガー的人間」なのだという。多元的な価値の存在を認めることで辺縁がどんどん膨張してドーナツみたいに中心がカラッポなのは都市の有り様と似ている。ドーナツの穴だけくり抜けないように、本当は実在しないからこそ「憧れ」みたいな抽象的な夢幻が中心を貫いているように見える。2022/06/15

quemuri

0
大変興味深く読みました。モダンの時代、「大きな物語」が終わってから、精神科臨床の現場で発見した変化について著者は非常に丁寧に分析しています。精神科医の中には精神分析を社会分析に使う、といったカテゴリエラーを確信犯的にする人もいますが、この著者の姿勢には「知的廉直性」という言葉を連想しました。論理は平易に述べられていますが、使われている述語にギリシャ語(プロテウス的、など)が説明なく使われており、やや難しめです。読者層として著者の同業者である精神科医や研究者、臨床心理士を想定しているのかもしれませんね。2019/09/24

yuya

0
アイデンティティと自己2019/05/20

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