出版社内容情報
教育は人類の自己啓蒙の重要な一環である。臨床的人間形成論の構築過程をより広範な歴史のうちに位置付け、達成点と課題を展望する。
急速に変動する社会では、子どもや青年のみならず大人もまた、不断の生成を迫られる。その状況で求められるのは、子どもの「発達」や大人の「教育」を対象的に把握する理論ではなく、「ライフサイクルを通しての生成」と「世代間の相互生成」へ積極的にコミットする臨床的な人間形成論である。著者による臨床的人間形成論の集大成。
内容説明
臨床的人間形成論の構築過程を啓蒙の野蛮化に抗する歴史のうちに位置づけ、その達成と課題を展望する。
目次
序章 啓蒙と臨床―臨床的人間形成論の確立のために
第1章 遠野、花巻、盛岡一九一〇年
第2章 死者との実存協同―田邊元
第3章 生命鼓橋の世代間作り渡し―森昭
第4章 世代継承的公共性の生成―大学教育に焦点づけて
終章 啓蒙の野蛮化に抗して世代継承的公共性を紡ぐ
著者等紹介
田中毎実[タナカツネミ]
1947年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、武庫川女子大学教育学部教授、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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啓蒙と臨床―臨床的人間形成論の確立:啓蒙の野蛮化へ向き合う 歴史・運動としての啓蒙 にもかかわらず啓蒙へ 遠野、花巻、盛岡 1910年:離郷 帰郷 旅する 遍歴 里を二重視する自我 死者との実存協同:科学と教育―ロゴスの行方 種の論理―個と悪の行方 懺悔道の哲学―自力の行方 世代継承的公共性の生成―大学教育に焦点づけて 啓蒙の野蛮化に抗して世代継承的公共性を紡ぐ:啓蒙の弁証法へ向き合う 生成する公共性 教育的公共性と「半身の構えの連携」 世代継承的公共性を紡ぐ 祈りとしての啓蒙と世代継承的公共性の生成2021/04/11