目次
グリーフケアとは
第1部 実践編(災害時のグリーフケア―阪神・淡路大震災、JR福知山線事故を経験して;遺族会とグリーフケア;日本社会の伝統的なグリーフケア)
第2部 理論編(グリーフケアの基盤としてのスピリチュアルケア;臨床心理学における悲嘆;グリーフケア研究の動向)
第3部 人材養成編(グリーフケア提供者を目指す人たち―アンケートおよびインタビュー調査から見えてきた動機とニーズ)
著者等紹介
高木慶子[タカキヨシコ]
1971年、上智大学大学院神学研究科修了。博士(宗教文化)。現職は上智大学特任教授、同グリーフケア研究所所長。専門はグリーフケア、スピリチュアルケア(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
9
悲嘆を癒す。喪失体験が悲嘆を増していく。悲嘆を他者が癒してあげねば個人はイカレテしまう。昨日はツイッターで死にたいとかいろいろな感情がごっちゃになっている人のツイートに2,3回返信したが、できればコメントしなければよかった。その人からは予期せぬ反発があったし、面識もないので・・・。3.11の件でも、寄り添うことの限界(37頁)を指摘されているが、昨日の返信で実感した次第だ。気づきの大切さは、いじめる側に必要なパーソナリティだが、本書でもスピリチュアルケアで指摘されている。ケアは患者自立のための支えである。2013/06/03
amanon
2
愛する者を失った喪失感…生きていれば誰もが経験するはずなのに、なぜかそれが大きく取り上げられることがなかった。その事実に改めて驚かされる。その背景は本書に詳述されているが、自分の職業の関係もあって、このグリーフケアの重要性は今後ますます増していくということを痛感。「理論編」はやや難解だったが、それだけに余計、一口に喪失感とはいっても、個人は文化、宗教的背景によって様々で、その対処の仕方も更に多種多様なものになるだけに、今後この分野は様々なハードルが課せられるだろう。同じ分野の本を更に読んでみたい。2017/04/06
とある聖職志願者。
2
同性愛、婚約関係、死産、流産、家族以外などの公認されない対象者へのグリーフケアについての記述が興味深かったです。2016/03/14
JunTHR
2
悲嘆のさなかにある人に寄り添い、乗り越える手助けを目指すグリーフケア、その丁寧な入門書。基礎理論から最新の理論動向、人材育成の具体的な状況まで概括的に記されていて、とても勉強になる。「受け入れ」そして「寄り添う」ということ、それしか出来ないんだという点が強調され、安易な理解や励ましを避けることを教えられる。グリーフ=悲嘆の生まれる状況、個人差、文化的社会的な条件による違いと、それらに応じた対応のバリエーションなどは呑気に考えていては思い当たらない点が多く、専門家を目指す人以外にも多くの示唆を与えてくれる。2014/12/16
まにゃん
1
他の心理学の本を読んでから読んだため、理解が順調であった。何かしらの前置きがないと、何度も読むことが必要になると思った。入門というだけあり、概要はもちろん、自分のグリーフについても大いに考えさせられた。自分のグリーフに対する受け入れや意味づけ、今まで学んできたグリーフに対しての考え方は間違いではなかったのだとこの本を通して安心が芽生えた。ケアする立場はとても難しいことも分かった。見えないからこそ、隠してしまいがちだからこそ、相手に傾聴する姿勢、自分の解釈に惑わされない姿勢が重要だと思う。2023/10/25