内容説明
すべての子どもの「学ぶ権利」を保障するために。国際化が進展するなか、日本に暮らす外国人の子どもをめぐる教育の現状と課題はどのようなものか。海外の事例と比較しつつ、問題解決のための具体策を提示する。
目次
第1部 景気の流れに左右されない日本社会のグローバル化(地域社会の「多文化」化と外国人の子どもたち;日・英比較にみる外国人の子どもの受け入れ;人の移動にみる日本のグローバル化の特徴と多文化教育の課題)
第2部 外国人の子どもの教育に関する提言(文部科学省「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」での提言;内閣府「定住外国人施策に関する有識者からのヒアリング」での提言)
著者等紹介
佐久間孝正[サクマコウセイ]
1943年生まれ。1970年東北大学大学院教育学研究科教育学専攻博士課程中退。現在、東京女子大学名誉教授、元立教大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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幸音
2
レポートの参考文献。テーマは「学校に通えない外国人の子どもたち」と設定。主に第1章「地域社会の「多文化」化と外国人の子どもたち」、第3章「人の移動にみる日本のグローバル化の特徴と多文化教育の課題」を使用。不就学という、就学年齢に達しても教育機関に属さず、学びの機会を失っている状態の外国人の子どもたちのことを指す。日本語を話せるか否かもかかわってくるが、自治体や学校などが外国人の子どもたちを受け入れない体制を確立していること、また根底には祖国との学校観の違いがある。多文化社会の矛盾した現状である。2012/06/25
ゆみの
0
佐藤郡衛と比べると、やや理論に欠けるなといった印象。文章も個人的には佐藤のほうが好き。まあともかく社会に働きかけていこうという気概は感じられるし、国ではなく自治体の可能性を示唆してくれるので、現場に立つ教育関係者には実用性が高いのではないだろうか。それから言語価値から第二外国語としての英語教育と日本語教育との違いに触れているのも重要。移民への言語教育というともっぱら北米やオーストラリアになるが、同じ島国のイギリスの挑戦や苦悩を参考にする意義もまたあると思う。2012/11/28