出版社内容情報
言葉は人を支えて威力を示す一方、一言が破壊的に働くこともある両刃の剣だ。いじめ、不登校、学級崩壊、TV・ケイタイの普及と読書離れなど、言語の無力化・荒廃の例は事欠かない。この現実をどうするか?著者は国際的に評価の高いシュタイナー教育の理念と実践に解決の鍵を求める。全身体的な原体験、語りきかせによる想像力の育成を重んじる幼児期。子どもを自らまず受入れる権威者(教師)の下、絵をかく、歌うなどをとりこむ各科の授業(児童期)、討論、論文を課す思春期・青年期…と発達と本性の欲求に見合い、ムリなく聞く・話す・読む・書
【目次】
まえがき
Ⅰ 言語の荒廃
1 言語の氾濫
2 言語への不信
3 言葉・書物からの離反
4 凶器としての言語
5 貧しい言語生活
6 物質的感覚的になった言語生活
Ⅱ 克服すべき言語の根本問題と教育
1 言語の教育力は衰退しているか
2 話す、聞く、読むおよび書く生活の荒廃
3 子どもたちの言語生活の現実
4 適切さに欠ける「話す・聞く・読む・書く」教育
5 教育による、言語の荒廃の克服―シュタイナー教育に手がかりを求めて
Ⅲ 幼児期の言語の教育
1 話すことの教育
2 聞くことの教育
Ⅳ 児童期の言語教育
1 権威者を求める子どもと言語の教育
2 芸術的な欲求と言語の教育
3 原体験への欲求と言語の教育
4 利己慾の克服と言語の教育
Ⅴ 思春期・青年期の言語の教育
1 物質主義的な生活と思考
2 意欲的で探求的な思考を促す「学ぶ楽しさ」
3 広大な世界への関心の喚起
4 生き方の探究と言語の教育
まとめ
注
あとがき
内容説明
言葉の洪水と不信のなかで、言葉が偉力をもつためにはどうすればよいのか?教師・親はどうすれば「権威者」になれるのか?豊かな言語生活を得るために、シュタイナー教育の理念・方法に学ぶ。
目次
1 言語の荒廃
2 克服すべき言語の根本問題と教育
3 幼児期の言語の教育
4 児童期の言語の教育
5 思春期・青年期の言語の教育
著者等紹介
広瀬俊雄[ヒロセトシオ]
1942年静岡県に生まれる。東北大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。1990~91年ウィーンに留学し、シュタイナー学校・幼稚園の教育実践と成立史に関する研究に従事。現在、広島大学大学院教育学研究科教授。広島シュタイナー教育研究会を主宰
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