出版社内容情報
現在、公教育へ選択制を導入しようとする動きが注目を集めている。どのような選択制を、どうやって、どこまで導入するか、議論の分かれるところである。先生や授業の選択制だけでなく、学区・学校の選択制が必要なのではないかという意見が強まりつつあるなか、有望視されているのがチャーター・スクール制の導入である。それは、どんな場所で、何を、どうやって教えるか自由に決められる、独自の公立校を子どもや親が設立できるようにしようというものだ。アメリカで進むこの公教育からの「独立運動」の意味は何か。サンフランシスコ学区を歩いて考
【目次】
学校選択と公立校の多様化―まえがき
第1章 チャーター・スクールとその舞台
1 カリフォルニア
学区システムとその改革/チャーター・スクールという制度/カリ
フォルニア州のチャーター・スクール法
2 サンフランシスコ
サンフランシスコ統合学区/認可されたチャーター・スクール/
チャーター・スクールに関わる組織、人々
第2章 サンフランシスコ統合学区のチャーター・スクール
1 クリエイティブ・アーツ・チャーター・アカデミー
―手作りのチャーター・スクール―
教員と父母のグループによる開校/教員・スタッフを兼ねる父母に
よる運営/前途多難/追記
2 ゲイトウェイ・ハイスクール
―学習障害児のための私立大学と提携 学習障害児の母親たちが開校/生徒の個性を重んじる学習方法/
難しい同校のアイデンティティ/追記
3 ライフ・ラーニング・アカデミー
―少年院に代わるチャーター・スクール―
犯罪者更生のためのNPOによる開校/個人と社会の相互回復/
職業に直結するプログラム
4 リーダーシップ・ハイスクール
―私立大学と提携するチャーター・スクール―
「起業家」マーク・クシュナー/私立大学と提携した高大一貫教育
都市環境をフルに活用するカリキュラム/追記
5 エジソン・チャーター・アカデミー
―民間企業が運営するチャーター・スクール―
エジソン・プロジェクト社とギャップ社/成績不振の公立小学校を
救う手だて/公教育民営化の問題/追記
付論 チャーター・スクールの評価
第3章 テンダーロイン・コミュニティ・スクール
―NPOが支援する従来校―
最貧地区の移民家庭を救うNPO/地域住民のニーズをほりおこす
学校づくり/コミュニティ・センターとしての小学校
第4章 起校の時代
起校の潮流/公教育における独立運動/日本にも来るか、起校の時代
この本ができるまで―あとがき
文献・資料一覧
内容説明
子どもを通わせたいと思える学校がない。それなら自分たちの理想の学校を起こせばよい。サンフランシスコ統合学区を実際に歩きながら、市場原理や学校選択制といった理屈だけでは語り尽くすことのできない、「学校を起こす権利」の意味を考える。
目次
第1章 チャーター・スクールとその舞台(カリフォルニア;サンフランシスコ)
第2章 サンフランシスコ統合学区のチャーター・スクール(クリエイティブ・アーツ・チャーター・アカデミー―手作りのチャーター・スクール;ゲイトウェイ・ハイスクール―学習障害児のためのチャーター・スクール;ライフ・ラーニング・アカデミー―少年院に代わるチャーター・スクール;リーダーシップ・ハイスクール―私立大学と提携するチャーター・スクール ほか)
第3章 テンダーロイン・コミュニティー・スクール―NPOが支援する従来校
第4章 起校の時代
著者等紹介
鵜浦裕[ウノウラヒロシ]
1955年石川県に生まれる。1984年上智大学大学院外国語学研究科博士後期課程修了(国際関係論)。現在、札幌大学文化学部教授、文学博士。これまでに、ハーバード大学、オーストラリア国立大学、ストックホルム商科大学で客員研究員をつとめた
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