出版社内容情報
従来のあいまいで多様なアプローチを整理し、教育の前提を問う試みとしての教育哲学を探る。つまり、教育にまつわる自明性(当然正しく、判りきったこと)にメスを入れることとなる。自明性とは、とどのつまり<大人>の自明性であり、それをどこまでも逃れていくものが<子ども>である。「教育」という<大人>の発想と「哲学」という<子ども>に通じるもののせめぎあい―教育哲学の再検討が<子ども><大人>問題を追究することを意味し、又この関係を問うことが、自ずと独自の教育哲学の展開を導く。
内容説明
なぜ人を殺してはいけないのか?なぜ毎日学校へ通わねばならないのか?〔子ども〕の問い(哲学)に答え得ず、自明性を再生産する教育という〔暴力〕の一面を切開く。
目次
第1部 教育の〔前提〕を問うこと(さまざまな「教育哲学」;教育の〔前提〕に向かって;〔子ども〕〔大人〕と教育学のタブー)
第2部 教育における〔自明性〕(〔自明性〕への問い;〔大人〕の自明性と〔子ども〕;教育という自明性の再生産と〔暴力〕;〔子ども〕のルサンチマン―ディオニュソス的なものとアポロン的なものとの相克)
第3部 結語に代えて(教育における〔自明性〕〔過剰性〕〔多元性〕)