出版社内容情報
被害者や目撃者がそろって犯人であるとし、本人も自白した事件。しかし、彼は無実であった。誤った証言を生み出すメカニズムに迫る。
事件に関わる人物を見分けたり出来事の詳細を思い出すこと、またその正確性を見定めることは、私たちが思うほど簡単ではない。本書は、実験心理学の膨大で多様な研究を踏まえて、記憶、知覚、推論といった人々の心の働きがいかに歪みやすく、またそれを見抜いて正すことがいかに難しいかを、取り調べや裁判の流れに沿って紹介する。
目次
第1章 はじめに
第2章 「我々はヤツに迫っている」:捜査のダイナミズム
第3章 「刑事さん、この人です!」:目撃者による犯人識別
第4章 「刑事さん、これが事実です」:犯罪についての目撃記憶
第5章 「いいから認めろ。お前が犯人だ」:被疑者取り調べ
第6章 「被告人は有罪」:公判における事実認定
第7章 裁判における事実認定の仕組み
第8章 正確性の向上を目指して
著者等紹介
サイモン,ダン[サイモン,ダン] [Simon,Dan]
南カリフォルニア大学教授。専門は法と心理学であり、両分野の専門誌で多くの論文を出版している。『その証言、本当ですか?―刑事司法手続きの心理学』はAmerican Psychology‐Law SocietyのBest Authored Book 2015に選ばれた
福島由衣[フクシマユイ]
日本大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程修了。現在、日本大学文理学部人文科学研究所研究員。博士(心理学)
荒川歩[アラカワアユム]
同志社大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。博士(心理学)。現在、武蔵野美術大学造形構想学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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