出版社内容情報
英国精神分析協会での連続講義から生まれた、精神分析史上屈指の言語系分析理論書。抜群の臨床家として知られたシャープが自身の臨床例を生き生きと語り、現場で注目すべき具体的指摘を行なう。クライエントの言動の意味をクライエントの歴史として読み出し描き直す手法の臨床的実用性は、現代の心理療法においても優れた指針を示す。
内容説明
徹底したプラグマティストの明晰な実践が克明に語られる全編、臨床場面から採られた怒濤の解釈例。夢・談話・身振りを修辞法で解釈。フロイト派信頼の古典にして現代認知言語学の足場に立つ異色の談話分析。
目次
第1章 類型的であり個人的でもある精神の産物としての夢
第2章 夢形成のメカニズム
第3章 精神分析の実践における夢の評価
第4章 さまざまなタイプの夢の例
第5章 ある1つの夢の分析
第6章 夢分析の諸問題
第7章 精神的・身体的危機において生じる夢の例
第8章 心的再適応を示す夢
第9章 「分析済み」の人とその夢
第10章 ある「最後の」夢
著者等紹介
シャープ,エラ[シャープ,エラ] [Sharpe,Ella F.]
1875年生まれ。見習い教員・公立学校国語教員・見習い教員センターでの校長相当職をへて40代で精神分析に入門。ハンス・ザックスに分析を受ける。フロイト派精神分析家。英国精神分析協会正会員。治療だけでなく分析家の養成に大きく貢献した。1947年死去
松本由起子[マツモトユキコ]
京都大学大学院教育学研究科臨床心理学専攻博士課程中退。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程単位取得退学。日本学術振興会研究員、英国タビストック・クリニック留学、社内通訳等をへて、北海道医療大学心理科学部講師、翻訳・通訳者。専門は精神分析成立期から初期の家族と教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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