出版社内容情報
視覚や聴覚といった単独の感覚ではなく、複数の器官から得られた情報の相互作用によってはじめて生み出される認知に焦点を当てる。
味や香りで食事を楽しみ、口元を見て声を聞くことで会話するといったように、私たちが経験する日常的な出来事の多くは、複数の感覚の情報を解釈することで成立している。感覚モダリティに共通する融合てがかりの存在を明らかにし、行動実験に基づいて議論されてきた感覚融合認知の原理とメカニズムを、典型的な現象を元に解説する。
内容説明
心の科学的理解へとつながる、6本の「大動脈(AORTAS)」。単独の感覚ではなく、複数の器官から得られた情報の相互作用によってはじめて生み出される認知に焦点を当てる。
目次
第1章 同時性知覚と時間的相互作用(感覚モダリティ間の同時性知覚;事象時間、脳時間、主観時間 ほか)
第2章 空間的視聴覚相互関係(腹話術効果;腹話術効果は「本物」か ほか)
第3章 多感覚処理における空間的注意(空間的注意;視覚、聴覚、触覚における空間的注意 ほか)
第4章 感覚融合認知と質感(質感とは;多感覚的な質感知覚 視覚の影響;多感覚的な質感知覚 聴覚の影響;視覚、聴覚、触覚による木の質感知覚;多感覚質感情報統合の論理)
第5章 様相内融合認知と五感融合認知(様相内、様相間、五感全体;両眼融合認知;両耳融合認知;「味覚」を中心とする五感融合認知;様相内融合認知と様相間融合認知の比較)
著者等紹介
横澤一彦[ヨコサワカズヒコ]
東京工業大学大学院総合理工学研究科修了。工学博士(東京工業大学)。ATR視聴覚機構研究所主任研究員、東京大学生産技術研究所客員助教授、南カリフォルニア大学客員研究員、NTT基礎研究所主幹研究員、カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員、東京大学大学院人文社会系研究科教授などを経て、筑波学院大学教授、東京大学名誉教授
藤崎和香[フジサキワカ]
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達科学専攻博士後期課程修了。博士(学術)。NTTコミュニケーション科学基礎研究所リサーチアソシエイト、ワシントン大学客員研究員、国立研究開発法人産業技術総合研究所主任研究員などを経て、日本女子大学人間社会学部心理学科教授
金谷翔子[カナヤショウコ]
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(心理学)。産業技術総合研究所特別研究員、日本学術振興会特別研究員PD(京都大学)大阪大学大学院生命機能研究科特任研究員、日本学術振興会特別研究員RPD(大阪大学)などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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