近代的育児観への転換―啓蒙家三田谷啓と1920年代

近代的育児観への転換―啓蒙家三田谷啓と1920年代

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  • サイズ A5判/ページ数 230p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326250486
  • NDC分類 599
  • Cコード C3037

内容説明

本書は,大正から昭和初期の育児啓蒙家三田谷啓の足跡を検証することで、育児書の刊行と母親向け講習会という啓蒙活動のなかに、くっきりと姿を見せる「近世と近代の分岐点」を指し示している。

目次

序章 新しい育児史研究に向けて(育児書と現代;米国の育児史研究の成果 ほか)
第1章 育児啓蒙活動家の登場(三田谷啓とは何者か;三田谷の育児改革理念とその背景 ほか)
第2章 近代的育児概念の形成―「科学」と「母性」(日本児童協会を拠点とする育児啓蒙活動の展開;『日本児童協会時報』第一巻の育児論―専門家主導による「科学的」育児方の導入 ほか)
第3章 郊外生活者層の新興―「健康」の希求と子どもへの関心(三田谷の啓蒙対象として注目すべき層;郊外生活者層の新興と「健康」の希求 ほか)
終章 子ども観の変容―大人‐子ども関係における子どもの価値の相対的な上昇

著者紹介

首藤美香子[ストウミカコ]
1964年松山市生まれ。1987年お茶の水女子大学家政学部児童学科卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達学専攻。博士課程修了。人文科学博士(児童学・子ども観の社会史)

出版社内容情報

科学的知見をもつ専門家の指導と母性愛を不可欠とする育児法は、どのように形成され普及したか。三田谷啓(さんだやひらく)の啓蒙活動からフォロー。 育児史上ひとつの転換点とされる1920年代には、児童研究の実用化と児童保護事業の推進により「心身ともに健康な子ども」の育成がめざされ、その新しい規範は一部の教育熱心な母親の関心を惹きつけた。人々に育児意識の改革を迫った社会背景と、言説上の戦略を大阪、阪神間を中心に具体的に描写する。

関連書:
本田和子編著(首藤、執筆)『ものと子どもの文化史』(小社刊)、クニビュール/フーケ著『母親の社会史』(筑摩書房)、サーラ著『「良い母親」という幻想』(草思社)

序章 新しい育児史研究に向けて
1 育児書と現代
2 米国の育児史研究の成果
3 スポックの革新性の内実
4 日本の育児史の再考
5 1920年代と三田谷啓への着眼
6 本書の構成

第1章 育児啓蒙活動家の登場
1 三田谷啓とは何者か
2 三田谷の育児改革理念とその背景
3 三田谷の最初の実践──大阪市立児童相談所の設立と挫折

第2章 近代的育児概念の形成──「科学」と「母性」
1 日本児童協会を拠点とする育児啓蒙活動の展開
2 『日本児童協会時報』第一巻の育児論──専門家主導による「科学的」育児法の導入
3 『育児雑誌』第五巻の育児論──「科学」と「愛」の二要素からなる育児概念の確立
4 『育児雑誌』第九巻の育児論──「母性愛」の重視と母性強化論への転換

第3章 郊外生活者層の新興──「健康」の希求と子どもへの関心
1 三田谷の啓蒙対象として注目すべき層
2 郊外生活者層の新興と「健康」の希求
3 郊外生活者における子どもへの関心

終章 子ども観の変容──大人-子ども関係における子どもの価値の相対的な上昇


引用・参照文献
あとがき