敗戦への三つの“思いこみ”―外交官が描く実像

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326248360
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C1021

出版社内容情報

敗戦への近代外交史を検討し、三つの思いこみが大きく作用していたと主張。長い外交官の経験から国際関係の中での日本のあり方を見つめる。

思いこみの第一はルーズベルト米大統領の日本敵視政策、第二は日本国民の思いこみ、第三は有色人種蔑視観に基づく欧米人の思いこみである。このうち第一のルーズベルトの独善的思考が決定的要因だとして、日本外交とのかかわりを丹念に追う。歴史の教訓に学びつつ現在を的確にとらえるために。

関連書:同著者『<思いこみ>の世界史』(小社刊)


第Ⅰ部 三つの<思いこみ>
    ──決定的要因はルーズベルト大統領の執念──

第一章 大日本帝国破滅の道程
    ──<列強への仲間入り志向>が破局を招いた──
1 日露戦争を境とする日本外交の変質──
2 満州事変から敗戦に至る日本外交の軌跡
3 西洋文明に向けられた日本人の関心と基本的外交理念の欠如
4 圧殺された正論

第二章 日本国民の<思いこみ>
1 マインド・コントロールにかかった日本人
  ──軍国教育とマスコミの宣伝──
2 熱烈な愛国心とアジア解放への思い
  ──<思いこみ>のポジティブな側面──
3 優越意識が生んだ傲慢な日本人
  ──<思いこみ>のネガティブな側面──

第三章 有色人種蔑視に根ざした欧米人の思考形態
1 白人優越意識の由来
2 日本を戦争に引きずりこんだルーズベルト大統領の<思いこみ>
3 東京裁判の実態
  ──戦勝国が演じた「正当性御披露目興行」──

第Ⅱ部 転落の歴史の今日的意味

第四章 対外姿勢の基本
1 対米追随一辺倒からの脱却
2 西洋志向の体質から脱皮してアジアに軸足を据える
3 靖国神社問題と日中関係
4 日本の国際的役割

第五章 日本のアイデンティティー
1 アイデンティティーとは
2 アイデンティティーの二つの側面
3 ソフト・パワーの時代
  ──愛国心が育む文化の基層──

第六章 歴史の歩みを逆戻りさせてはならない
1 西洋的価値観至上主義の独善
2 「国のありよう」と国際社会の関与
3 異文化の接触と文明の歩み

付録 『日本外交の過誤』

あとがき

内容説明

東京裁判への違和と西欧的価値観至上主義への批判をベースに、日本の外交姿勢や国民意識のあり方について、歴史の教訓に学ぶ。

目次

第1部 三つの“思いこみ”―決定的要因はルーズベルト大統領の執念(大日本帝国破滅の道程―“列強への仲間入り志向”が破局を招いた;日本国民の“思い込み”;有色人種蔑視に根ざした欧米人の思考形態)
第2部 転落の歴史の今日的意味(対外姿勢の基本;日本のアイデンティティー;歴史の歩みを逆戻りさせてはならない)
付録 『日本外交の過誤』

著者等紹介

山口洋一[ヤマグチヨウイチ]
1937年生まれ。本籍佐賀県。1960年東京大学教養学部教養学科(フランス分科)卒業。1960年~外務省入省。本省では経済局、アジア局、調査部、情報文化局勤務。海外ではフランス、南ベトナム、イタリア、インドネシア各大使館勤務を経て、1981年~ユネスコ常駐代表、駐マダガスカル特命全権大使、駐トルコ特命全権大使、駐ミャンマー特命全権大使などを歴任。1998年外務省退官。現在、特定非営利活動法人(NPO)アジア母子福祉協会理事長
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感想・レビュー

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①軍部主導の何がなんでも欧米列強への仲間入りしなければならないという思い込み、②国民の思い込み、熱烈な一種マインドコントロールに陥っていたような愛国心、③欧米人の有色人種蔑視に基づく目障りな日本人、という三つの思い込みから敗戦への道、敗戦後日本の問題、これからの日本のあり方が説かれる。日中関係が大事なのは分かるが、本書が書かれた10年前とは状況が変わってるからな•••。2016/10/22

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