出版社内容情報
「民族」に基づく植民地統治を用意したのは、どのような学問だったのか。伊波普猷が生んだ〈沖縄学〉の分析を通して明らかにする。
ミッシェル・フーコーによるエピステモロジーと「知と権力」のアプローチを援用し、伊波普猷の〈沖縄学〉の認識論的条件を問う。そこで明らかになるのは、近代日本における〈民族〉、つまり集合的生命・身体を対象にする人間諸科学という学問の近代日本における成立と変遷、そしてそれが日本の帝国化と植民地政策に与えた意味である。
内容説明
帝国日本による「民族」に基づく植民地統治を用意したのは、どのような学問だったのか。伊波普猷が生んだ“沖縄学”の分析を通して、近代日本の「知の秩序」を明らかにする。
目次
序論 問いの再構築
第1章 言語と歴史
第2章 身体と歴史
第3章 生物学と社会学―有機体論の系譜
第4章 人種交替説
第5章 新式の統治法
第6章 優生学と精神分析―「民族衛生」と「郷土史」
第7章 帝国と植民地
終章 知と権力
著者等紹介
徳田匡[トクダマサシ]
東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位満期取得退学。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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