出版社内容情報
マクダウェルの思索は、どのようにして・どういう倫理的な実在論・認知主義にたどり着いたのか。「行為の理由の判断に徳の有無がどう影響するのか」という行為の合理性の問題と、「道徳的な特徴はものごとの実在的性質か」という倫理学の根幹にかかわる問いへの、マクダウェルの向き合い方を見る。
内容説明
倫理学の根幹へ向けた問い。物体のようには掴めないものの実在性(リアリティ)について。倫理的な実在論・認知主義。
目次
第1章 徳と理性
第2章 道徳の要請は仮言命法なのか
第3章 外在的理由はありうるか
第4章 価値と第二性質
第5章 倫理学における投射と真理
第6章 二種類の自然主義
第7章 非認知主義と規則順守
著者等紹介
マクダウェル,ジョン[マクダウェル,ジョン] [McDowell,John]
1942年生まれ。ピッツバーグ大学教授。オックスフォード大学講師を経て、1986年より現職。研究分野は多岐にわたり、ギリシア哲学、倫理学、言語哲学、認識論、心の哲学、ウィトゲンシュタイン研究において、影響力ある論考を発表している。近年はカント、ヘーゲル研究でも知られる
大庭健[オオバタケシ]
専修大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田蛙澄
4
中断しながら読んだので二ヶ月くらい買ってから読み終わるまでかかった。『心と世界』を読んでいたのでなんとなく背景とかは分かっているつもりだったが、恐ろしく読むのに骨が折れた。対人論法が多いので、全然知らない哲学者の説を理解しつつマクダウェルの反論も理解するようなので混乱することが多かった。ただ、倫理的な特徴が、単なる主観の投影ではなく、陶冶によって滋養された徳によって感受される実在であり、他の考慮を沈黙させるような際立った認知であり、有徳な人間にとっては倫理的行為の理由になるようなものだということは分かった2016/05/05