ジャン・ニコ講義セレクション
意味と目的の世界―生物学の哲学から

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  • サイズ B6判/ページ数 361,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784326199570
  • NDC分類 461.1
  • Cコード C3310

出版社内容情報

進化論の観点から、<心>と<言語>と<生物>を統一的に理解する。現代哲学に新しい理論の地平を開く、カ強く透徹した思索。

その生物の存続を可能にしてきた機能を指す「固有機能」という概念を軸として、生物における「目的」と「意味」の様相を開示し、心や言語を含めた生物の諸現象を包括的な観点から捉える。心の哲学・言語哲学・生物学の哲学にわたって顕著な業績をあげてきたミリカン哲学のエッセンスを、豊富な具体例によってわかりやすく展開する。

[関連書] 『シリーズ心の哲学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』 (勁草書房刊)




 第Ⅰ部 目的とその食い違い

第1章 人間の目的とその食い違い

第2章 ミームの目的とその食い違い

 第Ⅱ部 自然的記号と志向的記号

第3章 局地的自然記号と情報

第4章 自然的記号における生産性と埋めこみ

第5章 目的意味論

第6章 志向性

第7章 内包性

 第Ⅲ部 外的な志向的記号

第8章 言語記号は自然的記号から出現する

第9章 言語を介した直接知覚

第10章 慣習的記号の領域を追跡する

第11章 意味論と語用論の区別のさまざま

第12章 直示詞、指標詞、およびもう少し記述について

 第Ⅳ部 内的な志向的記号

第13章 内的なオシツオサレツ

第14章 対象の表象を分離する

第15章 空間と時間

第16章 目標状態表象を分離する

第17章 目標状態表象を生成する

第18章 動物の思考の限界

第19章 人間の思考をめぐる推測


訳者解説
参考文献
索引

内容説明

進化論の観点から、“心”と“言語”と“生物”を統一的に理解する。現代哲学に新しい理論の地平を開く、自然主義の力強く透徹した思索。

目次

第1部 目的とその食い違い(人間の目的とその食い違い;ミームの目的とその食い違い)
第2部 自然的記号と志向的記号(局地的自然記号と情報;自然的記号における生産性と埋めこみ ほか)
第3部 外的な志向的記号(言語記号は自然的記号から出現する;言語を介した直接知覚 ほか)
第4部 内的な志向的記号(内的なオシツオサレツ;対象の表象を分離する ほか)

著者等紹介

ミリカン,ルース・G.[ミリカン,ルースG.][Millikan,Ruth Garrett]
1933年生まれ。1969年、エール大学にて博士号を取得。コネチカット大学名誉教授

信原幸弘[ノブハラユキヒロ]
1954年、兵庫県生まれ。1983年、東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専攻博士課程単位取得退学。東京大学大学院総合文化研究科助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月をみるもの

11
深層学習ネットワークが猫を識別できるからといって、猫という概念を理解しているわけではないのは確かなんだけど。。 「ある性質を識別する能力は、それ自体としては、その性質の概念ではない。(多くの単細胞生物は明暗を識別するが、だからといってそれらが何らかの概念を用いているということにはならない。)おそらく性質の概念は、命題的判断およびそれをもたらす推論において一定の役割を果たすものであり、単純な性質検出器がそのような判断や推論を行うという目的に向けて利用されていると想定すべき理由はまったくないのである」2021/01/31

borisbear

2
人間の心や言語について、動物一般の認知その他の能力との連続性が分かる形で包括的な視野を与えてくれる点が著者ミリカンの魅力だが、人間と他の動物とで決定的に異なる点についての指摘も鋭い。「因果性と合理性の対比」のようなありがちな分断的視点を否定した上で、相対的に文脈フリーな信念表象、それゆえ思考の対象化/実験的操作/社会的蓄積を可能にする表象利用能力に着目する。ここまではデネットやドレツキなどにも同様の視点があるが、その表象能力の基礎をより深く考える点で(少なくとも私にとっては)他に例を見ない。2020/09/20

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