出版社内容情報
記号を分類する観点が「関係の分類」に初まり3~6~10個へ拡張する過程をフォロー。パースキゴウガクの全容に迫る。
内容説明
記号を分類する観点が「関係の分類」に初まり3~6~10個へ拡張する過程をフォロー。パース記号学の全容に迫る。
目次
第1章 記号の分類
第2章 類似記号、指標記号、象徴記号
第3章 命題(現象とカテゴリー;心の基本要素;知覚と知覚判断;記号現象;1904年の記号分類;1908年の記号分類;意味とは何か;思考・記号・推論;人間は象徴記号である)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
7
どこかの夫人に意味不明な独自理論を手紙で送りつけるパースも受け取る夫人も、どうかしている。①対象、②それを表す記号、③その記号を見た人の中で生み出される解釈項の三つ組から、抽象度の低い直接的なイメージや感情→一次性、個体の指し示しや一次性に対する反応→二次性、一次性と二次性を媒介する法則や象徴や精神活動→三次性といった三項の組み替えで世界全ての理解を企む断章。神の代理人も貨幣も温度計も記号として定義し始まった考察は人間自身が記号という結論に至り、私の言葉と感情が伝われば他者の中に私が存在するも同然と語る。2020/08/05
roughfractus02
5
現象は連続するゆえに記号によって認知可能になる。著者は推論過程をデジタル化する記号を努力や注意力を伴うものと捉え、必然的に解釈となる認知に度合の区別をつけて、力の関係として三項関係を構想する。性質/個物/法則の記号自身の有り様、類似/指標/象徴の表意の有り様、名辞/命題/論証の言明の有り様、演繹/帰納/アブダクションの論証の有り様の4つの分類によって、多元的に焦点化を繰り広げる推論過程が出現する。この多元的過程の力の度合次第で推論は3つの姿で現われるが、そう解釈する人間は著者の記号学では象徴に分類される。2017/07/13
wizard_blue
1
パースが著したテクストの中から記号論にまつわるものを「本文」と9つの断片として編訳されている。「序」で訳者が言及する通り、本書は『パースの手稿を取捨選択して整合的にしかもなるべく完全にパースの真意を伝えるための第一段階の資料になる事を期待して編集されたもの』であるため、全体を俯瞰してパースの記号論について理解しようとすると整合性を図りかねる場所がそこここに認められる。(続)2012/06/18
HN9
0
12013/10/16
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