出版社内容情報
言語の習得やその使用,および意味現象などをすべて言語行動に関連させて考察している。思索の拡がりと体系性において,戦後分析哲学の最高峰の一つといわれている。
【目次】
第1章 言語と真理
第2章 翻訳と意味
第3章 指示対象の発生学
第4章 指示対象の気まぐれ
第5章 規格化
第6章 内包からの脱出
第7章 存在に関する決断
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
34
18
クワインのいわゆる全体論的言語像がはっきり打ち出されている主著。「根源的翻訳」と言われる、仲介者なしで他言語を理解しようとするとき何が起きるのかを考えてみようという思考実験では、単純な観察文の翻訳からはじめても、一義的な翻訳規則を立てることは決してできず、翻訳の不確定性が(指示の不可測性のせいで)つねに残ると主張される。ところで、クワインの「敵」を今日の読者が共有していることはほとんどなさそうなので、彼の言語像を根本的に受け容れながらも、彼の議論は説得力を欠くと見なすことは大いにありそうなことである。2018/01/15
田蛙澄
1
有名なガヴァガイの翻訳の不確定性がメインな話だと思ってたが、むしろそこから、対象からの刺激だけでは意味を確定できないところから対象そのものではなく、どう意味が生成されるかに話が移り興味深かった。命題や属性、架空の存在、数学的対象が次々と還元されて物理的対象とクラスだけが論理学の量化の変項の値とされて、むしろ何を値に取るかが存在論を決定し、逆ではないというのはなかなか刺激的。観察文での物理的対象からの刺激意味からさらに理論の意味までのグラデーションが総合/分析の廃棄ともつながって全体論となってる。2023/04/01
urza358
1
終章「存在に関する決断」はとくに難解で、どう決断しているのかパンチラインをつかみそこねる。解説の大意では「何が存在するか」はその概念枠での「量化の束縛変更の値として何を認めるか」へ言い換えるという決断である。2010/03/21
うぱこ
0
あかん「痒くない所は掻くな」さえも、わからん。2024/12/12
Kanou Hikaru
0
本棚の整理中・・・ 友人・知人に紹介したい本
-
- 和書
- 最新教育原理 (第2版)