出版社内容情報
アダム・スミスの理論に決定的役割を果たしていた「必要」という概念はなぜ忘れ去られたのか。概念の変遷を追い経済学の現在を問う。
経済学の父、アダム・スミス。その理論において「人間の必要」は枢要な位置を占めていた。スミス、メンガーからポランニー、カップ、タウンゼント、セン、フェミニスト経済学まで、必要概念の意味を発展させようとしてきた今日につづく議論を追い、現代社会における必要についての理論的展開を示す。もう一つのありうべき経済学とは。
内容説明
本書で明らかにしたいことは、以下の三つである。第一に、主流派の経済学者たちが自分たちの起源だと主張する経済学の「始祖」たちの理論にとって、人間の必要はとても枢要な位置を占めていたこと。第二に、その「始祖」たちが彫琢した必要概念の持つ特徴。第三に、それらの特徴への着目が現在を生きる私たちにとって持つ意味。(略)もう一つのありうべき経済学を示唆するものであると同時に、現代社会における必要についての理論的展開でもある。―「序章」より抜粋。2017年ヨーロッパ進化経済学会William Kapp賞受賞論文をもとに書籍化。
目次
序章
第1章 スミスの「見えざる手」―必要の有限性
第2章 スミスの「革靴」―必要の間主観性
第3章 スミスの「未開人」―必要は静態的か進化的か
第4章 メンガーの「魔法の杖」―必要の認識論的限界と市場の限界
第5章 メンガーの遺産―経済の二つの意味・必要・エコロジー経済
第6章 スミスの遺産―「相対的貧困」は無くならないのか
第7章 「見えざるハート」―フェミニスト経済学と必要概念
終章
著者等紹介
山森亮[ヤマモリトオル]
1970年生。京都大学大学院経済学研究科修了。東京都立大学講師、ケンブリッジ大学研究員などを経て、同志社大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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