出版社内容情報
お茶の水女子大学附属小における「てつがく」の授業実践をもとに、子どもたちが豊かな対話を通して思考を深める様子を描き考察する。
「時間はなぜあるのだろう」「物があるとはどういうことか」「自由とは何か」「対話するってどういうこと?」──子どもたちが互いの考えを聴きあいつつ、自明と思われる価値や事柄を問い直し考え続ける「てつがく」の学び。その授業実践を参照しながら、主体的な市民を育成するための、学校における哲学教育のあり方を考える。
内容説明
みんなで対話しながら、一人でノートに向かいながら、子どもたちはあきもせず考え続ける。お茶の水女子大附属小学校の「てつがく」の時間は、銀河鉄道の旅のような不思議な時間だった。これはその旅の記録である。
目次
第1章 時間について
第2章 地球はなぜあるのだろう?
第3章 「物がある」とはどういうことか
第4章 夢について
第5章 自由について―何が人間を不自由にするのか
第6章 ロボットに心を持たせても良いか
第7章 お金持ちは幸せか―どうしてお金はあるのか
第8章 対話するってどういうこと?
終章 「てつがく」の時間
著者等紹介
森田伸子[モリタノブコ]
1945年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士後期課程満期退学。現在、日本女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
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『子どもと哲学を』の著書がある著者が、お茶の水女子大付属小学校で行われた「てつがく」の授業に取材し、子どもたちの発言を解きほぐし、コメントしたもの。子どもたちが対象とした素材は、・時間について、・地球はなぜあるだろう、・夢について、・自由について等々広範囲に及んでいるが、小学生という未来ある子どもたちが、クラスの仲間との対話を通して「てつがく」した時間は、いつか人生を彩ってくれるのではと思う。学校の存在意義について、人生の振り分け機関ではなく、今ある「不思議さ」を考える場としても捉える見方を教えてくれる。2022/04/16