出版社内容情報
社会的制度はどのようにして創られ、維持されるのか。社会科学の根源的な問いに言語哲学の泰斗が挑む。
ジョン・R・サール[ジョンRサール]
著・文・その他
三谷 武司[ミタニ タケシ]
翻訳
内容説明
国家、貨幣、会社、スキークラブ、夏休み、アメフトの試合―これらが「存在する」とは一体いかなる事態なのか。
目次
第1章 本書の目的
第2章 志向性
第3章 集合的志向性と機能付与
第4章 生物学的かつ社会的なものとしての言語
第5章 制度と制度的事実の一般理論―言語と社会的現実
第6章 自由意志、合理性、制度的事実
第7章 権力―義務論的権力、バックグラウンド型権力、政治権力、その他の権力
第8章 人権
結語 社会科学の存在論的基礎
著者等紹介
サール,ジョン・R.[サール,ジョンR.] [Searle,John R.]
1932年生まれ。1959年、オックスフォード大学にて博士号を取得。カリフォルニア大学バークレー校名誉教授
三谷武司[ミタニタケシ]
1977年生まれ。東京大学大学院情報学環准教授。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
無重力蜜柑
7
「中国語の部屋」の思考実験で有名な哲学者、ジョン・サールが社会科学の対象となるような「存在論的には主観的だが認識論的には客観的」事象=社会的事実(例えば「バラク・オバマは大統領である」ということ)について存在論的基盤を与えようと試みた本。徹底的な自然主義の立場を取るサールは、心→言語→社会的事実という経路であらゆる社会的事実に統一的な存在論的枠組みを与えようとしている。訳者の工夫もあって文章は非常に明晰かつ論理的で読みやすく、用語は導入されるたびにそれまでの議論との関係の中で整理されるので理解しやすい。2021/07/23
borisbear
4
この本はサールファンとして長年翻訳を期待していたので早速読んだのですが、読みやすく的確な訳文でうれしいです。本書の核心はあえて特定するなら4章10節「義務論は発話行為に内在的」と思います。これは50年前の著書の発語内行為「本質条件/本質規則」以来のサールの基本的発想で、当時も「事実と価値の区別」をめぐる論争を呼び起こしたようですが、本書でも「哲学で広く共有されている見解と真っ向から対立」と書かれています。本書では、言語による制度的事実の創出という大きい視野の中で改めて確認できました。2018/10/09
hajimemasite
1
面白さはあれど、取り扱いに難しさを感じる本。発話される言語により、地位や機能、権力などが生まれ、それらにより社会が構成される、という物語は納得が行くものではある。ただ、方やAIの発展により、言語や意思の堅牢さが揺るがされる一方、本書で度々引用される「バラク・オバマは大統領である」の一句に代表される米国大統領という存在が、発話により、社会を歪めている現実があり、本書が礼賛している人類の想像力などの特性が人々の悪夢となり、切り捨てている機械やAIが救いとなる現状は、どうも読書体験を居心地の悪いものとしてくれた2026/07/16
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