心のありか―心身問題の哲学入門

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心のありか―心身問題の哲学入門

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  • サイズ B6判/ページ数 210,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326154098
  • NDC分類 114.2
  • Cコード C3010

出版社内容情報

世界に存在するあらゆるものは物質的な存在にすぎないとする「物理主義」。この考えは私たちの日常にも浸透しているが、「心」をこのモノの世界に位置づけようとした途端に、難題が生じる。非物質的な心が、どうやって物質的な身体に因果的な力を及ぼすことができるのか? 心身問題という難題を通して、哲学することの愉しみへ誘う。

序章 なぜ心が哲学の問題になるのか

第一章 心に因果的な力はあるか?
 1 心を残す物理主義――デイヴィドソンの立場
 2 「スーパーヴィーニエンス」とは何か
 3 スーパーヴィーニエンス論法
 4 心の働きを物質化する――機能的還元
 5 機能的還元の代償

第二章 物理主義を乗り越える1――キムに抗して
 1 〈閉包性〉という障壁
 2 機能はうまく還元できるのか

第三章 物理主義を乗り越える2――「性質」としての心
 1 性質の因果性
 2 性質のあり方――タイプとトークン
 3 個別的なものとしての「性質」――トロープによる心の因果性
 4 立ちふさがる「“として”問題」
 5 マクドナルドらの提案
 6 形而上学的アプローチの限界

第四章 心的な説明は因果的か?
 1 行為の「理由」と「原因」
 2 行為の理由は行為の原因である――デイヴィドソンの「因果説」
 3 説明に因果性は必要でない――「包括的合理化」による因果説批判
 4 それでも因果性が求められる理由
 5 論争を振り返って――これからの方針

第五章 心的説明から心的因果を目指す
 1 バージとベーカーの「説明実践アプローチ」
 2 スーパーヴィーニエンスは心的因果の助けにならない
 3 説明と形而上学の対立
 4 説明実践を擁護する

第六章 説明からの試み
 1 心的因果の「理論化」
 2 (今さらながら)「因果性」について
 3 心的因果が根付く「理論」
 4 日常心理学と科学
 5 理論化の応用
 6 心的因果は理論化できるか――反論に答える

おわりに――行き着く先とこれからの展望

文献案内
あとがき
用語集
索引

内容説明

心はモノにすぎないって、ホント?脳や身体も含む「モノ」の世界と、その支配の及ばない「心」をめぐって展開される哲学の大冒険。

目次

序章 なぜ心が哲学の問題になるのか
第1章 心に因果的な力はあるか?
第2章 物理主義を乗り越える1―キムに抗して
第3章 物理主義を乗り越える2―「性質」としての心
第4章 心的な説明は因果的か?
第5章 心的説明から心的因果を目指す
第6章 説明からの試み
おわりに 行き着く先とこれからの展望

著者等紹介

太田雅子[オオタマサコ]
1968年東京都に生まれる。2001年お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科単位取得退学。現在、お茶の水女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yoshi

6
入門と呼ぶには、かなり本格的。読むのに骨が折れる。 一方で、過去の「心の哲学」は心身問題の本質を捉えていないように思う。 物理は原因と結果という2つの異なる事象を必要とする。 心と脳が同一ならば、1つの事象に原因と結果を当てはめる必要が生じる。一方で、心と脳が異なるなら、「心」はどこにあって、どのように脳活動の原因となるのか? 問題は、心と脳が同一の物体に帰属するのにも関わらず、心と脳は区別でき、心が脳活動の原因となるということが論理的に可能か、ということだと思う。言語哲学はいらないと思う。 2024/06/20

Eu_a_Krupps

1
心的因果の問題の解決にあたって、形而上学に訴える物理主義は、結局は心的なものの因果的効力を損なってしまう恐れ(因果排除問題)がある。そこで、著者は敢えて、素朴心理学を因果的説明の理論として採用し、心的因果を救う道を選択する。素朴心理学は、自然科学のような厳密さは持ちえないにしても、自然科学では合理的に説明できない領域を扱う広範な理論として有効であることを示す。2012/12/30

hryk

0
難しいが面白かった。第6章の「心的説明により心的因果の正当性を担保する」という著者の立場を想定反論から擁護する箇所で、自己欺瞞への対処として「当事者が、通常とはかけ離れた理論を支持した結果」(166頁)とするが、説明のレベルでの、つまり行為者への理論帰属を経由しない議論が続いていたのに、ここのみ行為者への理論帰属に依拠するのはどうなんだろうとは思った。(もちろんこちらの理解が足りないだけかもしれない)2012/09/12

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