出版社内容情報
時間論には、作りものめいた浅薄さではなく、どこか生きることと直結する切実さがある。時間への問いは、私とは何か、世界とは何か、という問いと繋がる。それだけに時間論には、いろいろな哲学的難問が隠れていて、どこから始めても際限のない迷路が続くような印象がある。本書は時間を二つの方向から論じる。一つは代表的な時間論(アリストテレス、アウグスティヌス、フッサール、マクダガート)を紹介・検討する道。二つは、自分の体験を記述しながら、条件を付加して世界の時間へと至る道である。本書は著者の最初の本である。
序論 時間についての問い
Ⅰ 時間論の構図
第一章 時間論の古典
──アリストテレスとアウグスティヌスの時間論
第二章 現象学的時間と生
──フッサールとハイデガーの時間論
第三章 時間は実在しない?
──マクタガートの時間論をめぐって
第四章 分析哲学における時間論の現在
Ⅱ 時間論の構築
第五章 主観的時間
第六章 外部世界と自己
第七章 固有時の構成
第八章 相対性理論の方へ
第九章 行為者の時間
註
あとがき
文献表
索引
内容説明
代表的な時間論を検討し、主観的時間から物理的時空構造へ至る道を模索する。
目次
1 時間論の構図(時間論の古典―アリストテレスとアウグスティヌスの時間論;現象学的時間と生―フッサールとハイデガーの時間論;時間は実在しない?―マクタガートの時間論をめぐって;分析哲学における時間論の現在)
2 時間論の構築(主観的時間;外部世界と自己;固有時の構成;相対性理論の方へ;行為者の時間)
著者等紹介
中山康雄[ナカヤマヤスオ]
1952年静岡県に生まれる。1975年京都大学理学部卒。1987年ベルリン自由大学哲学部哲学博士(Dr.phil.)の学位取得。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授
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