憎悪表現とは何か―“差別表現”の根本問題を考える

電子版価格
¥3,850
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

憎悪表現とは何か―“差別表現”の根本問題を考える

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 325,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326153510
  • NDC分類 801.03
  • Cコード C3010

出版社内容情報

「憎悪表現」という用語は、まだ日本では定着していないが、いわゆる「差別語」の範疇である。アメリカでは、hate speech の研究として、一つのジャンルを確立している。「差別語」とは、発話ないし文字による表現の中で、差別的意図が込められているとされる特定の語句を指す。法的次元での問題考察では、「差別的表現」とされる特定の単語や言い回しが、その文脈を含めて、人権侵害かどうかといった論点となる。本書ではアメリカにおけるヘイト・スピーチの研究成果を踏まえて探求し、言葉の政治的側面を分析の対象とする。


【目次】

1 言語と社会

  ◎社会の鏡としての言語
    社会言語学の定義
    言語記号学と意味の明証性
  ◎社会は言語によってしか映し出されない
    言語によって映し出される社会
    伝聞としての言語
    呼びかけ
    社会言語学における<社会>
  ◎社会は言語を通して構成される
    言語によってつくりだされる社会的現実
    チョムスキーの言語理論
    内部に設定される言語
    理想化のプロセス
    妥当要求と遂行的矛盾
    理論の実質的敗北
    言語の脆弱性

2 言語と自由

  ◎普遍文法と表現の自由
    はじめに
    言語と自由
    言語と自由と表現の自由
    脆弱性なき内部言語
    <主体>の不在
    進化論との闘い
  ◎言語的なるものの再構成
    開かれた構造
    内部言語における自由と平等
    検問批判理論

3 憎悪表現の法的規制

  ◎アメリカにおける憎悪表現論争の歴史
    差別表現と憎悪表現
    憎悪表現問題の誕生
    クー・クラックス・クラウン
    ナチ党擁護
    エホヴァの証人問題
    集団誹謗禁止立法
    スコーキー事件
    キャンパス表現規則
    十字架焼却事件
  ◎表現の自由と憎悪表現の禁止
    憎悪表現規制派の議論
    配分決定者としての国家
    訴訟の脆弱性
    言語の脆弱性
    社会学的人権侵害と法学的人権損害

4 政治言語としての憎悪表現

  ◎言説の支配体制からの脱却
    言説の支配体制
    社会=言説
    あらたな意味の生成
  ◎コミュニケーション的権力と個人
    コミュニケーション的権力とコミュニケーション的自由
    個人の役割
  ◎言語政治学の可能性
    表現の<自由>とは
    <表現>と<行為>の境界
    日本における<差別表現>の規制
    憎悪表現成立の条件

あとがきにかえて
引用言及文献
事項索引
人名索引   

内容説明

たんなる差別的な“表現”が、なぜ人を傷つけるのだろうか?差別と排除の空間における言語の政治性を明らかにする。

目次

1 言語と社会(社会の鏡としての言語;社会は言語によってしか映し出されない;社会は言語を通して構成される)
2 言語と自由(普遍文法と表現の自由;言語的なものの再構成)

著者等紹介

菊池久一[キクチキュウイチ]
1958年生まれ。コロンビア大学大学院修了。現在、亜細亜大学教授。研究領域は、社会言語学、言語政治学。著書に『〈識字〉の構造―思考を抑圧する文字文化』(勁草書房、1995年)。訳書に『読み書き能力のイデオロギーをあばく―多様な価値の共存のために』J.E.スタッキー著(勁草書房、1995年)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

htyhr

0
表現の自由と表現規制の対立とか2012/06/27

moriteppei

0
B

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/233557
  • ご注意事項