出版社内容情報
同じフランクフルトの伝統に属しながら、先輩たちと対決しつづける第三世代の論客たちの姿勢に学ぶ本書もまた同様に、アドルノ/ホルクハイマーの哲学に対し批判的な読解を試みる。彼らの哲学の魅力は、例えばアドルノのあの文体にある。読む人の知識や固定観念を激しく揺さぶる、磨きに磨かれた言葉の数々。これまでの多くのアドルノ論は、こうした彼の文体に陶酔し、その文言をなぞって自己満足してしまう傾向があった。本書はできるだけ平易にかみくだいた言葉で、理性や道徳、幸福や家族などのテーマに即しながら、彼らの哲学を語る。
内容説明
理性と幸福、自然と文化、道徳や歴史、家族などをめぐるフランクフルト学派の哲学的思考。磨きぬかれた、鋭く激しい言葉の数々を批判的に読み解きわかりやすくかみくだいて表現する。
目次
第1部 アドルノ/ホルクハイマーにいたるコンテクスト(「全体は非真である」テーゼについて;主観的「理性」と客観的「理」性;文化と幸福;倫理学の批判的社会理論への解消;ユダヤ人問題との関連においてみられた「非同一的なもの」概念)
第2部 アドルノ/ホルクハイマーからはじまるコンテクスト(同一性批判から多(元)文化主義へ
家族論の変容―ホルクハイマーからホネットへ
「埋め合わせ理論」とその批判―ヨアヒム・リッター学派とフランクフルト学派
哲学することへの反省)
感想・レビュー
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