出版社内容情報
デカルト以来,私と世界,私と他者の間に断絶が設定されてしまった。本書は断絶に架橋する試みの一つであるが,それをアンスコム,デイヴィドソンらの所説を手掛りに行う。
大森荘蔵の言葉を借りれば・・・近代科学革命の核心は
色、音、匂い、等の感覚的性質を人間の主観の中に閉じ
込め、自然をただ幾何学・運動学的にのみ 「死物的」 に
描写し、その死物的世界を客観的世界としたことにある。
その結果、一方に、ただ幾何学的形状と運動だけの客観
世界が存在し、他方に、色や音に溢れた主観的な世界が
存在することになる。デカルトによって描かれた、この
二元論的構図は現代のわれわれを今なお呪縛し続けてい
ると言うことができよう。もちろん、現在、哲学や心の
科学に携わる人々はこの呪縛から逃れようとしている。
「まえがき」 より
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【目次】
Ⅰ 志向性と世界
第1章 志向性と世界
第2章 言語の志向性と意識の志向性
Ⅱ 志向性と行為
第3章 後期ウィトゲンシュタインと心の概念
第4章 人格・「私」・身体
第5章 志向性と行為
Ⅲ 意味の理論
第6章 意味と真理条件
第7章 規則の了解
内容説明
言語の習得を通して感性は変容を遂げ、世界は直接開かれる。ウィトゲンシュタイン、マクダウエルらをベースに考える。
目次
1 志向性と世界(志向性と世界;言語の志向性と意識の志向性)
2 志向性と行為(後期ウィトゲンシュタインと心の概念;人格・「私」・身体;志向性と行為)
3 意味の理論(意味と真理条件;規則の了解)