出版社内容情報
本書は著名な論理学者である著者が,可能世界論を駆使して宗教哲学上の二つのテーマを解く。一つは悪の存在をめぐる問題,もう一つは伝統的な神の存在証明である。
【目次】
Ⅰ 自然無神論
A 悪の問題
1 問い―どうして神は悪を黙認するのか
2 有神論者は自己矛盾におちいっているのか
3 有神論に矛盾がないことを示すのは可能か
4 自由意志による擁護論
5 神は自分が好んだどのような可能世界でも創造できたのだろうか
6 神は道徳上の善はふくむが道徳上の悪はふくまない世界を創造で
きたのだろうか
7 貫世界的堕落と本質
8 自由意志による擁護論の正当化
9 神の存在は世界にある道徳上の悪の多さと両立するか
10 神の存在は自然悪と両立するか
11 悪の存在によって<神の存在することはありそうにない>という
ことになるか
B その他の無神論的議論
Ⅱ 自然神学
A 宇宙論的論証
B 目的論的論証
C 存在論的論証
1 ガウロニの反論
2 アンセルムスの応酬
3 カントの反論
4 カントの反論は的外れである
5 存在論的論証を言い換える
6 言い換えられた存在論的論証の致命的欠陥
7 様相論理から見た存在論的論証
8 様相論理から見た存在論的論証の欠陥
9 存在論的論証の再編
10 存在論的論証の勝利
註
解説
訳者あとがき
内容説明
この世に悪が存在することは「神の正義」を揺るがすだろうか。可能世界論を駆使した冷静な議論と熱烈な護教論の結合。
目次
1 自然無神論(悪の問題;その他の無神論的議論)
2 自然神学(宇宙論的論証;目的論的論証;存在論的論証)