出版社内容情報
ヘーゲル『論理学』を,「反省」概念を鍵としながら解説する。また,カント,フィヒテ,シェリングの「反省」と対比することにより,ヘーゲルの独自性を明らかにする。
分裂と越克と統一を目指し、伝統的論理学
と対決したヘーゲル。その哲学的方法であ
った《反省》理論とは何か。
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【目 次】
第1章 伝統的思惟法則の改編
1 同一性の言明と差別化の作用
2 排中律と対立律
3 対立者の自己矛盾的構造
4 矛盾と矛盾律
第2章 概念の運動と反省諸規定
1 方法としての概念の運動
2 絶対的自己同一性
3 区別の発現
4 対立の帰趨
第3章 反省と思弁
1 有の止揚と反省
2 反省のアポリア
3 反省の方法的意味
4 思弁哲学における否定性
第4章 ドイツ観念論における反省の展開
1 カントにおける反省の諸相
2 フィヒテにおける自我の構造
3 シェリングにおける二元性の思想
4 ヘーゲルと反省の課題
内容説明
分裂の超克と統一を目指し、伝統的論理学と対決したヘーゲル。その哲学的方法であった〈反省〉理論とは何か。
目次
第1章 伝統的思惟法則の改編
第2章 概念の運動と反省諸規定
第3章 反省と思弁
第4章 ドイツ観念論における反省の展開(カントにおける反省の諸相;フィヒテにおける自我の構造;シェリングにおける2元性の思想;ヘーゲルと反省の課題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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まず、ヘーゲルの判断論からなんとか理解可能な推論の連鎖を取り出そうという気概がある(任意の判断は、無限判断、つまり「自己自身がそこから区別されるもの」を「領域」として確定する判断を前提としており、これが「没落=ゼロ」を防ぎ、弁証法を駆動する)。次に、局所的ではあるけれども理解可能なものとなったこの議論が、蓄積されたヘーゲルの形式的理解にいかにインパクトを与えるかの整理がある(本質は、存在と規定という二重の反省を考慮に入れる点で存在とは区別される)。最後にそのうえでヘーゲルの歴史的位置づけが問題になる。2019/08/17