出版社内容情報
本書は,1981年日本ブリタニカから刊行,絶版となっていたものの改訂版である。廣松氏担当の一・二章は変らず,三章の担当が勝守真氏になり新しい知見が加わった。
目次
第1章 相対性理論の哲学的次元
1 方法論的次元
2 存在論的次元
3 認識論的次元
第2章 マッハの哲学と相対性理論
1 質量概念に即して
2 空間概念に即して
3 時間概念に即して
4 力学概念に即して
第3章 相対性理論とアインシュタインの哲学的転回
1 特殊相対性理論―測定手続きと観測者の視座
2 一般相対性理論―間主観的妥当性の数学的保証
3 後期思想への移行―物理学的実在の自立化
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田蛙澄
1
1章は相対性理論には観測者同士の時間の相対性における観測者問題があり、それが客観ー観測手段ー主観という近代的二元論を解体する可能性があるが、アインシュタインは必ずしもその可能性に自覚的でなかったという話で、2章はマッハ哲学の操作主義的、要素一元論的という特徴を述べつつ、実在論を排し、時間空間を絶対化しないマッハの姿勢は相対性理論に近づいていたと評価し、3章はアインシュタインが観測・測定連関重視の前期から、テンソル導入による間主観の暗黙化した関数理論体系重視の後期に哲学的転回をしたと述べる充実した内容。2018/07/26
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