出版社内容情報
時空を超えた不朽のメッセージを読みとるべきか、歴史の産物として距離感をもって臨むべきか、古典解釈をめぐる普遍的な問題。
内容説明
ルネサンス期に興隆した人文主義は、ホメロスの叙事詩をはじめとする古代ギリシア・ローマの詩歌や文芸作品、聖書などのテクストを読解する学問だが、古典といわれるものがはじめから存在したわけではない。どのテクストが、どのような基準で解釈され、選ばれて古典とされていったのか、本書はこうした「テクストの科学」の歴史を近現代までたどる。
目次
序章 人文主義者たちを再考する
第1章 古代のテクストとルネサンスの読者たち
第2章 ポリツィアーノの新しい学問とその背景
第3章 捏造の伝統と伝統の捏造―ヴィテルボのアンニウス
第4章 スカリゲルの年代学―文献学、天文学、普遍史
第5章 新教徒vs預言者―カゾボンのヘルメス批判
第6章 ヘルメスとシビュラの奇妙な死
第7章 ルドルフ二世のプラハにおける人文主義と科学―背景からみたケプラー
第8章 ラ・ペイレールと旧約聖書
第9章 ヴォルフ序説―近代歴史主義の誕生
著者等紹介
グラフトン,アンソニー[グラフトン,アンソニー] [Grafton,Anthony]
ルネサンス文化や古典の伝統、書物の歴史。1950年生まれ。シカゴ大学にて博士号取得。プリンストン大学教授。アメリカを代表する歴史学者
ヒロ・ヒライ[ヒロヒライ]
ルネサンス思想史。Early Science and Medicine誌編集補佐。1999年より学術ウェブ・サイトbibliotheca hermetica(略称BH)を主宰。同年にフランスのリール第三大学にて博士号(哲学・科学史)取得。その後、欧米各国の重要な研究機関における研究員を歴任。現在、オランダ・ナイメーヘン大学研究員。2012年に第九回日本学術振興会賞受賞
福西亮輔[フクニシリョウスケ]
哲学・思想史。1981年生まれ。東京都立大学人文学部を経て、同大学大学院人文科学研究科哲学専攻修士課程修了。修士(文学)。現在は、高等学校教諭として地理歴史・公民を教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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