出版社内容情報
「個人に閉じた自由」は「自由な社会」を構築しない。生と死に直面し〈向き合ってしまった関係〉から構想する関係性の法理論へ。
他者に依存するニーズを必ず持つ個人をリベラリズムは捉えられるのか? ケア論を中心に批判が高まっている。本書は、言語化されないままに近代法体系に組み込まれてきた〈向き合ってしまった者〉との関係と、そのなかにある個人を、法の周縁から救い出す。個人を尊重する「自由な社会」の可能性を考える、旧くて新しい構想。
内容説明
誕生と死―、生の両端で人は端的に「他者に依存する」存在となる。他者に依存するニーズを必ず持つ個人を、リベラリズムは捉えられるのか?ケア論を中心に批判が高まっている。言語化されないままに近代法体系に組み込まれてきた“向き合ってしまった者”との関係と、そのなかにある個人を、法の周縁から救い出す。規範的関係論は、個人を尊重する自由な社会の可能性を切り拓く。
目次
序章 関係性の権利を考えるために―「関係性」と「権利」の関係
第1章 “個人の尊重”と“他者の承認”―出生前検査から考える
第2章 ケアの倫理と関係性―ケア関係を構築するもの
第3章 法的主体と関係性―ケアの倫理とリベラリズムの論理
第4章 関係性の権利―“差異”を/から考える
第5章 特別な関係下における責任―片務的負担という特性
終章 “つながり”のなかで―規範的関係の理論構想
補論 ケアの倫理とリベラリズム―リプロダクション(生殖)をめぐる視角から
著者等紹介
野崎亜紀子[ノザキアキコ]
獨協大学法学部教授。千葉大学法経学部卒業、2001年千葉大学大学院博士課程修了。博士(法学)。広島市立大学国際学部准教授、京都薬科大学教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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