出版社内容情報
命題が真であるとはいかなることなのか? インフレ主義とデフレ主義による未調停の対立の検討を通して、真理性質の本性を解明する。
本書では真理述語/真理性質/真理概念をめぐる議論の区別を明確にした上で、性質としての真理の本性の解明を目指す。形而上学と認識論という二つの領域からアプローチすることでインフレ主義とデフレ主義の議論を検討し、真理性質にはある種のインフレ主義的な理解を認める必要があることを明らかにして真理の実質性を擁護する。
内容説明
命題が真であるとはいかなることなのか?形而上学と認識論という二つの領域からアプローチすることでインフレ主義とデフレ主義による対立する議論を精緻に検討。真理の実質性を認める必要があることを論証し、性質としての真理の本性の解明を目指す。
目次
真理をめぐる問いと対立
第1部 形而上学(真理の一元主義;真理の多元主義;形而上学のなにが問題か)
第2部 認識論(真理の実質性と信念の規範;メタ認識論と真理;機能主義的ミニマルインフレ主義と方法論的インフレ主義)
著者等紹介
須田悠基[スダユウキ]
1991年神奈川県に生まれる。現在、東洋大学国際共生社会研究センター研究助手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buuupuuu
16
真理論は、地味で退屈な分野なのかと思っていたが、幅広い領域に関係する面白いものだと知れてよかった。インフレ主義とデフレ主義の対立は、真理を実現する性質を認めるか否かという点にある。そのような性質についての理論は、たとえば、物理についての命題が真である仕方と道徳についての命題が真である仕方とを包括的に説明できるようなものでなければならないが、そのような理論の見通しは立っていない。そこで著者は、そのような性質があると想定しなければ、我々の認識的な実践が成り立たなくなるという点に訴えて、インフレ主義を擁護する。2025/05/21