出版社内容情報
絵は事物を描き出し、私たちはその平らな表面に、そこにはない事物の姿を見る。絵の意味作用を探究し、絵を見る経験の本性に迫る。
絵とは、その表面の形状を通して、そこにないものを見せる装置である。本書では、絵とは似姿であるとする類似説のほか、ゴンブリッチ、グッドマン、ウォルハイム、ウォルトンらによる、現代の分析哲学における描写や画像表象をめぐる代表的な議論を参照し、その検討と評価を通して絵の基本的な意味作用の本性と由来を探る。
内容説明
絵は事物を描き出し、私たちはその平らな表面にそこにはない事物の姿を見る。絵とは似姿であるとする類似説のほか、ゴンブリッチ、グッドマン、ウォルハイム、ウォルトンらによる、現代の分析哲学における描写や画像表象をめぐる代表的な議論を検討。その評価を通して絵の基本的な意味作用の本性と由来を探る。
目次
序論 予備的な考察
第1章 絵は似姿であるか―類似説の検討(M.ビアズリーの理論;二人のクラテュロス;N.グッドマンによる批判;類似性への疑念;類似説の行方)
第2章 イリュージョンの理論―E.H.ゴンブリッチ(反転図形をめぐって;イリュージョン説の誤読;「無垢なる目の神話」;描写は複製ではなく翻訳である;図式と修正;画像表象の起源)
第3章 絵画の記号論―N.グッドマン(描写の慣習性;遠近法批判;外延指示と分類;描写的な記号システム;批判的考察)
第4章 絵を見る経験の二重性―R.ウォルハイム(基本的な枠組み;二重性をめぐって;二重性をめぐる批判的考察;絵の知覚と認知―記号説批判を手掛かりに;論点整理)
第5章 視覚的なごっこ遊び―K.L.ウォルトン(ゴンブリッチの「棒馬考」からごっこ遊び理論へ;「視覚的なごっこ遊び」;ウォルハイムの「二重性」と「単一性」;ウォルトン批判;「見ることと想像すること相互浸透」)
著者等紹介
清塚邦彦[キヨズカクニヒコ]
1961年群馬県に生まれる。現在、山形大学人文社会科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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