出版社内容情報
人工知能の可能性と限界をめぐる哲学的議論をアップデート! 第2次人工知能ブームまでの議論をおさらいし、現在の活況を捉え直す。
深層学習などの新しい手法の登場による飛躍的な研究の進展によって、第3次人工知能ブームが到来して10年が経つ。第2次ブーム期まで盛んに行われた人工知能の可能性と限界をめぐる哲学的な批判は、すでに乗り越えられたのだろうか? 人工知能研究の現状を踏まえて考察をアップデートし、今こそ求められる理論的検討の道を探る。
内容説明
人工知能の可能性と限界をめぐる哲学的議論をアップデート!第2次人工知能ブーム期まで盛んに行われた人工知能をめぐる哲学的批判は、すでに乗り越えられたのだろうか?第3次人工知能ブームの現在の状況を捉え直し、今こそ求められる理論的検討の道を探る。
目次
1 古典的人工知能(古典的人工知能:基本的発想;古典的人工知能:歴史;古典的人工知能:哲学的批判)
2 古典的人工知能から現在の人工知能へ(機械学習;ニューラルネットワーク;深層学習)
3 現在の人工知能:現状と課題(画像認識;自然言語処理;ゲームAI)
4 現在の人工知能:哲学的考察(現在の人工知能(1):可能性と課題
現在の人工知能(2):倫理的問題
人工知能と認知科学)
著者等紹介
鈴木貴之[スズキタカユキ]
1973年神奈川県に生まれる。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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buuupuuu
20
現在の人工知能研究を従来のものと対比させながらコンパクトに説明して、さらに多様な論点にも触れている。画像認識、自然言語処理、ゲームAIで用いられている手法についても、それぞれ一章ずつ説明されている。80、90年代頃は、哲学者が人工知能について活発に論じていたようだが、現在ではあまり論じられていないのだろうか。結局のところ深層学習といってもコネクショニズムの延長だと捉えられているからだろうか。人間の知能は進化の産物だからハイブリッドな性質を持つかもしれないと著者は述べていて、これはありそうだと思った。2024/10/30
愛楊
4
2024年出版のChatGPT以後の哲学的考察。特に言語哲学に関わっている人は必読であると思われる。今井むつみ『言語の本質』よりも、はるかに本書を読むべきである(哲学に対抗できるのは、哲学者であるため)。本書の白眉は、深層学習や大規模言語モデルといった非古典的人工知能に関する考察である。「中国語の部屋」やドレイファス、従来の統辞論・意味論・語用論といった区分の必然性、真善美のコード化不可能性、記号接地問題などに対して批判的検討を行っている。一階述語論理に基づく分析哲学等への影響が及ぶことは不可避であろう。2024/03/17
takao
1
ふむ2024/10/11
わだ りゅうた
1
人工知能の歴史を振り替えつつ、人間の知能との違いは何か検討している一冊。専門的な用語についても説明がなされており、数式も少ない。人工知能について学ぶ上で入門書になり得る一冊だろう。前半が人工知能の歴史を追ったものとなり、後半は現状の課題と、哲学的考察になる。特に後半の哲学的考察は、いかに人工知能を捉えるかといったメタ的な視点で勉強になった。2024/06/01
kk
1
参考文献をほんの少し執筆したご縁で著者に本を送っていただきました。人工知能系の研究者なので技術については理解しているつもりでしたが、その研究と哲学とがどう結びつくのか非常に興味深かったです。認知科学とも関係があると思いますが、脳は臓器でもあるから、生物学とも関係がありそう、と生物学者である姉と話しています...。2024/05/30
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