出版社内容情報
分析哲学が何を問題にしてきたかを論じて日本での受容の素地を作ったロングセラーの大河入門書第I巻、35年を経て遂に増補改訂!
第I巻では現代の言語哲学の始祖とされるフレーゲとラッセルについて、その仕事が登場した文脈を示し、それがなぜ重要なのかを積極的に評価して位置づける。本文はほぼ初版そのままとし、註にて文献を多数アップデートするほか、1987年の初版以降現在までの研究の進展を踏まえた書き下ろしの論考を収録。哲学の変遷と展望を示す。
内容説明
現代の言語哲学の始祖フレーゲとラッセルについて、その議論のエッセンスをわかりやすく解説。分析哲学が何を問題にしてきたかを論じて日本での受容の素地を作ったロングセラーの大河入門書第1巻、35年を経て遂に増補改訂!
目次
序論
第1章 フレーゲと量化理論(ひとつの問題;文の論理形式;フレーベは言語哲学者か? ほか)
第2章 フレーゲ的意味論の基礎(意味と像;文脈原理と合成原理;意義SinnとイミBedeutung ほか)
第3章 ラッセルと記述の理論(前史:『数学の原理』の意味論;革命:「表示について」(一九〇五)
余波:論理的固有名を求めて ほか)
後記 二〇二二年
著者等紹介
飯田隆[イイダタカシ]
1948年札幌市に生まれる。現在、慶應義塾大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buuupuuu
21
フレーゲは文の真理値を中心に考え、文の意味理解を真理条件の理解として捉えた。ラッセルは言葉の意味を、言葉に対応する存在者と考えた。そして言葉の意味の理解を、そのような存在者を見知っていることに求めている。フレーゲの「思想」は真理条件であるが、ラッセルの「命題」は語られている対象である。元々は40年近く前の本だから、時代を感じる部分もある。2022年の後記でも触れられているように、今では言語哲学が第一哲学だと考える人は少ないだろうし、そもそも第一哲学なるもの自体が疑わしいと考えられているのではないか。2024/02/27
古脇
1
しばしば難解だが、それは元のフレーゲの難解さに由来する。記号論理に帰着されてからは極めて平易。2022/11/06
有智 麻耶
1
フレーゲによる意味の理論と、ラッセルによる記述の理論を概説したもの。論文「意義と意味について」や「表示について」を読むとき、つねに参照したい。ただし、最初の一冊としては、やや難解ではある。2022/12/04